くらし 町の話題(2)

■双葉町行政区長会の視察研修を終えて
東日本大震災から14年が経過した今、他地域の復興状況を視察するため、7月1日・2日に双葉町行政区長会の夏季研修会を開催し、区長15人が参加しました。
初日は宮城県美里町にある次世代型植物工場「美里グリーンベース」を視察しました。この工場は(株)舞台ファームが令和3年10月に竣工したもので、土耕栽培により1日4万株のレタスの出荷能力を誇ります。
隣接地には営農型太陽光発電施設の設置計画があり、電力は工場で使用し、太陽光発電設備の下で稲作を行うとのこと。
2日目は、宮城県大衡村の工業団地にあるトヨタ自動車東日本(株)の工場見学と、隣接するトヨタ系列の農業生産法人(株)ベジ・ドリーム栗原第3農場を視察しました。
トヨタ自動車東日本(株)は東日本大震災の復興を目的に平成24年7月に3社が合併してできた会社です。生産工程などの説明を受けてから、清潔で整然とした工場内を見学しました。工場ラインでは名高いトヨタ方式が随所に見られ、改善提案などにより効率化とコスト削減及び安全が確保されていると感じました。
工場の隣にある(株)ベジ・ドリーム栗原第3農場は、令和4年1月に竣工された日本最大級のパプリカ農場で、養液栽培で年間315トンの生産量を誇ります。特徴は、隣接する工場で発生した廃熱を冬場の夜間暖房に使用し、超省エネ温室により放熱を極力防ぐことで、暖房コストを削減している点です。これは、トヨタ関係各社で取り組む東北復興促進活動の一環で、農商工連携モデルとして持続可能な新たな農業を実践中とのことです。
双葉町中田地区に、令和9年4月の栽培開始を目指してトマトの養液栽培施設が整備中です。今回視察して気付いた点は、自動化が進んでも、やはり人員の確保とあらゆる工夫を組み合わせることにより、効率化とコスト削減を行い競争力をつけることが重要だということです。最後になりましたが、今回の視察にご協力いただきました各社様には、ご丁寧な対応をしていただき誠にありがとうございました。
双葉町行政区長会 中田行政区長 井戸川 弘幸