くらし 災害に備えよう 今日からできる食品備蓄 ローリングストック

いつ起こるかわからない台風や地震、豪雨などの大きな災害。被害の大きさによっては、電気、ガス、水道などのライフラインが使えなくなったり、道路ががれきで塞がれたり水没したりして、物流が機能しなくなったりするおそれがあります。過去の例によれば、災害発生からライフラインの復旧まで1週間以上かかるケースがほとんどです。また、災害支援物資が届かないことや、スーパーやコンビニで食品が手に入らないことが想定されます。災害時の心と身体の健康を守るため、日常で食べているものを消費しながらストックする「ローリングストック」をしておきましょう。

■「ローリングストック」とは
蓄える→食べる→補充することを繰り返しながら、常に一定量の食品を備蓄する方法のことです。ふだん食べているカップめんや缶詰、インスタント味噌汁など少し多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費し、食べたらその分を買い足すだけで、簡単に始められます。

(1)まずは、ふだん食べている食材を多めに買って蓄える
(2)ふだんの食事で食べる
(3)食べたら買い足して、補充する

◆乳幼児の備え
○ミルクの備え
どうしても母乳で足りない分は、粉ミルクや液体ミルクを活用することもできます。そのため、粉ミルクと哺乳ビン、紙コップや使い捨てのスプーンを備えておくと安心です。

○離乳食の備え
びん詰めやレトルトの離乳食を多めにストックしておきましょう。またレトルトの離乳食はふだんから食べ慣れておくことも大事です。

○好きな食品や飲み物
日ごろから子どもが好きな食品や飲み物を備えておくと、災害時でもリラックス・安心することができます。

◆高齢者の備え
一般の家庭の備えとそれほど大きな違いはありません。ただ、体力が落ちたときや食欲がなくなったときなどに備え、レトルトのおかゆやインスタント味噌汁などがあると安心です。体が弱ったときにどんなものが食べたくなるかを想像し、備えましょう。

○食べる機能が弱くなった人の備え
かむことや飲み込むことなど食べる機能が弱くなった人や、栄養状態がよくない人を対象にした介護食品(スマイルケア食)を活用しましょう。レトルトの介護食品やとろみ調整食品など、食べる機能に応じてさまざまなスマイルケア食があり、ドラッグストアで購入できます。

農林水産省では、備蓄に適した食品の選び方、ローリングストックの方法、災害時に役立つ簡単レシピなどの実践的な内容を紹介したパンフレットを公表しています。
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」は、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。