くらし [Speciel Feature]OMITAMA BRAND 小美玉のめぐみ(3)

【Interview インタビュー】
■小美玉らしさを言語化する
小美玉市農産物等ブランド化推進協議会 会長
小原規宏(おばらのりひろ)さん(茨城大学人文社会科学部准教授)

◇こだわりを表現する意味
これからの農業において、生産者が自身の生産物や生産方法を言語化し、表現できることが重要になってきます。その背景には情報化社会の進展により、自分自身でPRすることができるようになったことと、いろいろな場所に市場が生まれてきていることがあります。生産物の魅力を上手に表現することも、仕事のひとつになると考えます。
小美玉市も含めた県央、鹿行地域では東京市場が近く、生産を中心とした農業が確立し、経済的な基盤を築いてきました。今回の審査で、小美玉市内にはこだわりを持っている生産者の方がいることがわかりました。ブランド化は、こうした方々が海外も含めた多様に広がる市場に向けて自身の生産物の魅力を言語化し表現する入口になると思います。

◇小美玉らしさを考える
表現において、デザインはとても重要な要素のひとつです。商品の魅力を表現するうえで生産者がデザイナーやクリエイターなどの異業種の方と仕事をする可能性も高まります。小美玉市に、すでに動画制作やデザインの分野で活躍する方がいることはとても強みであり、ほかの生産者にも連携の動きが広がる可能性を持っています。また、表現することは、市内の子ども達や市民の方々に作物だけでない小美玉市の農業の魅力を伝え、これまで以上に農業への理解や共感を醸成してくれると思います。
今回のブランド化は小美玉らしさをどう表現するかがテーマです。そのためには審査基準が大切で、この基準を上手に育てていくことが重要です。行政だけでなく、生産者も一緒に小美玉らしさを考え、言語化していくことが今回のブランド化を着実に進めるために大事なことだと思います。

■小美玉の豊富で質の高い農産物
小美玉市農産物等ブランド化推進協議会 委員
関健一(せきけんいち)さん(茨城県営業戦略部販売戦略課 課長)
◇小美玉の強みを活かした取り組み
小美玉市は鶏卵や生乳、ニラなど県内でも有数の農産物の生産地です。今回の審査会でも多くの農産物が申請をしていました。多くの自治体が農産物のブランド化に取り組んではいますが、小美玉市のように全体の農産物をブランド化する取り組みは少なく、こうした差別化を目指す取り組みは素晴らしいと思います。関東ローム層や霞ケ浦などの環境に恵まれ、何でもできる地域という小美玉市の強みを活かした取り組みです。

◇小美玉産のポテンシャルは高い
茨城県は農業算出額が全国第3位であり、東京市場が近く、市場に持ち込めば売れるという環境が長く続いていました。
一方で、恵まれた環境のために、ブランド化に対する取り組みが少し遅れていたところがあります。この点は、東京市場に2時間程度で持ち込める小美玉市も同様だと思います。農産物が豊富で質も高い、小美玉産の農産物のポテンシャルは高いです。今回のブランド化を進めていく上では、今後のPRなどのプロモーションのあり方がとても重要になると思います。

◇同じ目線で取り組むことが大切
県では儲かる農業として、農業者の所得を上げる取り組みをしています。今回のブランド化によって、消費者などに認知され、選ばれることで価格も上がり農業者の所得が上がります。そのためには、事業者と行政が同じ目線でブランド化に取り組むことが大切です。また、今回認定された事業者にメリットを感じてもらうことで次の認定品につながります。実を結ぶまで大変ですが頑張っていただきたいですね。