くらし 町長コラム vol.61

■連携協定によるまちづくりの考え方
八千代町は、まちづくりや防犯・防災について、近隣自治体や多くの民間企業などと連携協定を締結し、さまざまな分野で取り組みや準備を行っています。
先にマレーシア研修を紹介しましたが、続きがあります。参加者の中に、山梨県山中湖村の村長さんがいまして、時間をみてはまちの特色や行政の在り方などの意見交換をしていましたが「うちはね、富士山がいつ爆発するかわからないんだ。ひやひやしててね、離れたところに避難場所がないか考えていた」と言うのです。
当町は現在、特に防災対策での連携を強化していますが、一方で避難所としての受け入れ協定も行っています。水戸市、いわき市、境町、鬼怒・小貝川流域自治体などです。
考え方として「困った時はお互い様、手を差し伸べる」の精神が必要です。災害はいつ、どこで、どんなかたちで発生し、私たちの日常生活を脅かすか誰にもわからない。助ける時もあれば、助けられるときもある。大事なことは、手を差し伸べてくれる仲間をつくること。そして、約束をしておくことだと思います。山中湖村は、最後の富士山噴火から300年以上経過し、いつ噴火してもおかしくないという自然の驚異に向き合う村です。災害時の避難場所として、八千代町を指名されたのもご縁であり、お応えするのが当町の役割であると思います。お互い様の考え方です。
さて、山中湖村は、圏央道を使い車で約3時間の距離にある山梨県南東部に位置し、富士五湖の一つである山中湖を中心に広がる、人口が約5,800人の村です。世界に名を馳せる「富士山と生きる」がキャッチフレーズです。豊かな自然、水やみどりに恵まれ、霊峰富士をバックに四季折々の花のある風景が素晴らしく、訪れる旅行者はピーク時には150万人いたという別荘、旅館を多数保有するリゾート地であります。しかし、私も責任ある立場です。もっと互いの利益を求めたいと考えます。
平坦な大地と温暖な気候を有し、農業を基幹産業とする八千代町。山間部の寒冷地で、観光業を基幹産業とする山中湖村。大きく特色の異なる両者ですが、人口減少・少子高齢化克服の課題は共通していますので、持ち味の長所で欠点を補うことができれば、互いに得るものは大きく、チャンスが訪れたと解釈します。