- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県利根町
- 広報紙名 : 広報とね 2025年7月号 No.736
■リプロダクティブ・ヘルス/ライツってなあに?
●「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」って聞いたことありますか?
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」という言葉は、今から30年ほど前に生まれました。1994年にカイロで開かれた国連主催の国際人口開発会議で提唱され、翌年に北京で開かれた第4回世界女性会議における行動綱領にも、個人、特に女性の自己決定権を保障する考え方として明記された、女性の重要な人権の一つとされています。
日本では「性と生殖に関する健康と権利」と訳されています。2000年に策定された国の男女共同参画基本計画の中では、「生涯を通じた女性の健康支援」の一環として、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点の重要性をうたっています。
2002年には、世界保健機関(WHO)が「セクシュアル・ヘルス」という言葉を定義し、リプロダクティブ・ヘルス/ライツと非常に密接に関わることから、「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)」とひとまとめにされることもあります。
▽リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは…
「生殖に関する健康と権利」という意味です。「子どもを産む」ことに関わる全てにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも本人の意思が尊重され、自分らしく健全に生きられることを「リプロダクティブ・ヘルス」と呼び、その状態を享受する(受け入れて自分のものとする)権利は「リプロダクティブ・ライツ」と呼ばれています。
▽セクシュアル・ヘルス/ライツとは・・・
「性に関する健康と権利」という意味です。自分の「性」に関して、心身共に満たされていて幸せを感じられると同時に、社会がそれを認めている状態を「セクシュアル・ヘルス」と呼び、これを享受する権利は「セクシュアル・ライツ」と呼ばれています。ここでいう「性」は、単に生物学的な男性/女性だけではなく、自身の性自認にもとづくジェンダーや社会における性的な役割を含みます。
▽例えば・・・
・結婚するかしないか、いつ誰と結婚するか、自由に決められる
・子どもを産むか産まないか、いつ産むか、何人産むか、出産間隔をどうするかを自由にかつ責任をもって決められる
・避妊の⽅法や不妊、⽣殖器のがん、感染症の予防や治療について知ることができる
・差別、強制、暴力を受けることなく快適な性的関係を築ける、また任意に避妊できる
・産前産後に適切なヘルスケア(健康支援)やカウンセリング(相談)が受けられる
・断種や中絶を強制されず、また合法かつ安全な中絶処置を受けられる
・同意のない性行為や性的暴行による望まない妊娠をした場合、適切な医療を受けられる
・すべての新生児が健全な小児期を過ごせる
●男女ともに考えよう
「子供を産む」というと、女性だけのテーマと思うかもしれませんが、上記のような権利は「すべての人」が主体となるものです。男女を問わず社会全体で、個人・パートナーの意思や人生設計を尊重する意識を共有することによって、安心して子どもを産み育てることができ、さらに子どもを産みたいと思う社会を形成することにつながります。
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