くらし ≪特集≫目指そう!クリーンなまち「なすからすやま」(1)

人が生活するうえで必ず発生するごみ。全国的に様々な課題を抱えており、今後さらに深刻化することが考えられます。ごみの問題は、ごみを捨てる私たちが自分事として捉え、排出量の削減や分別を徹底するなどの行動に移さなければ、解決することができません。
今回の特集では、ごみの現状や課題、ごみの収集から処理までの流れ、ごみを減らすためにできることなどをお伝えします。「分別が面倒くさいから」と資源ごみを燃やすごみで捨てていませんか?ごみを減らすためにも、正しい分別方法をおさらいしてみましょう。

◆ごみの現状と課題
食品ロスや海に流れ込むプラスチックごみ、リサイクル率の低迷、ポイ捨て・不法投棄など、ごみに関する問題は多岐にわたり、日本のみならず世界的な問題です。分別が適切に行われず、燃やすごみの排出量が増え続けてしまうと、焼却に伴う二酸化炭素の増加による地球温暖化の加速や、最終的なごみの埋立地が足りなくなるおそれもあります。
では、私たちはどんなごみを、どのくらい出しているのでしょうか。

◆市から出た家庭系ごみの量
那須烏山市の家庭からは、令和5年度に約5,697トンのごみが出されています。1日あたり1人約645グラムのごみを出している計算になります。この量は全国や県の平均排出量を上回っています(グラフ1)。

◆市から出た家庭系ごみの内訳
家庭系ごみの内訳をみると、燃やすごみが約80%と圧倒的に多いことが分かります(グラフ2)。

◆燃やすごみが多いとどうなる?
燃やすごみを処理施設で焼却すると、多くの二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は、地球温暖化の原因である温室効果ガスの一種であるため、増えすぎてしまうと地球温暖化が進み、今以上に気温上昇や異常気象が起こりやすくなります。

◆ごみを減らすために私たちができること
▽まずは正しい分別から
那須烏山市では、燃やすごみの中に、紙ごみが多く出ています。ボール紙やコピー用紙、折込チラシ、包装紙は「雑紙(ざつがみ)」として分別することで、燃やすごみを大幅に減らすことができます。

『主な雑紙』
ティッシュやお菓子の空き箱、たばこの空き箱、封筒、カレンダー、広報紙、トイレットペーパーの芯、割り箸の袋、紙袋、そのほか名刺以上の大きさの紙

▽食材の使い切り、食べきり、生ごみの水切りを意識する
食品ロスを減らすため、必要な分の食材を買い、使い切りを徹底しましょう。
また、生ごみの85%が水分と言われています。刈り取った草などは乾かして出したり、生ごみ処理機を使ったりするなどの工夫で生ごみの水分を減らすことができます。

『生ごみ処理機器設置補助金』
市では、生ごみの処理機器(コンポスト・機械式生ごみ処理機)を購入した際の補助を行っています。購入を検討している人は、ぜひ、ご活用ください。詳しくは、市ホームページでご確認ください。

▽使い捨ての物はできるだけ使わない、もらわない
紙コップや紙皿、割り箸などは便利な反面、ごみが増えてしまいます。外出時もマイボトルやマイ箸を持ち歩きましょう。
また、買い物に行くときはマイバッグを持参して、レジ袋をなるべく買わないようにし、過剰な包装は断りましょう。

◆ごみのゆくえ
家庭からごみステーションに出されたごみは、収集車に収集されて大桶地区の保健衛生センターに運ばれます。そこで、燃やすごみを焼却するほか、スチール缶やアルミ缶、ペットボトルはプレス作業がされるなど、ごみの種類に応じて処理が行われます。

▽資源化(リサイクル業者へ)
燃やさないごみには、資源ごみが混入していることが多いため、保健衛生センターで作業員が手で選別したのち、種類ごとに分けてリサイクル業者に運ばれます。
資源ごみとして収集されたビンは溶かして新しいビンになったり、新聞紙や雑誌は再生紙になったりして、新たな製品に生まれ変わります。

▽埋立処分(最終処分場へ)
那須烏山市には最終処分場がありません。そのため、燃やすごみを焼却した灰などは、県外の最終処分場に運ばれて処理をしています。これらの施設の容量がいっぱいになってしまうと、ごみを受け入れてもらえなくなってしまいます。新たな施設の建設は大変困難であるため、未来のために今できることは、ごみを減らすことなのです。

令和5年度に家庭系ごみの処理にかかった費用は、
市民1人あたり8,084円
市全体では、1億9,558万円
ごみ処理には、多くの費用がかかっています。ごみの量が多くなると、その分費用負担が多くなります。ごみを減らすことは、ごみ処理の費用を減らすことにもつながるのです。