くらし ≪特集≫乗って残そう!JR烏山線(1)

「からせん」の愛称で親しまれているJR烏山線。これまでも、JR烏山線の状況をお伝えしてきましたが、依然として厳しい運営が続いています。
JR烏山線の利用を促進し、維持・存続を目指す市JR烏山線利用向上委員会では、JR烏山線を「自分たちの鉄道(マイレール)」と自覚し、鉄道を守り、育てようという考え方のもと、市・市民・関係機関が一丸となって取り組む方針を決定しました。
今回は、「マイレール運動」の内容やJR烏山線の最新の現状のほか、新たに始まったサイクルトレインサービスなどを紹介します。

■令和6年度 平均通過人員の公表
今年9月、JR東日本から公表された令和6年度平均通過人員(1日1キロあたりの平均輸送量)は1,113人で、7年ぶりに増加した令和5年度と比較すると、31人減少しました。(グラフ1)
路線存続やバス運行への転換見直しの基準となる1,000人は維持できたものの、将来的な存続が危ぶまれる状況に変わりありません。進む人口減少や自動車の利用により、JR烏山線を取り巻く環境は今後さらに厳しい状況に直面し、このまま推移すれば、将来、路線維持が困難になる可能性があります。

■存続の鍵は市民の「マイレール意識」
なぜ、今、マイレール意識が必要なのでしょうか。
それは、JR烏山線が単なる交通手段ではなく、地域の未来そのものだからです。高校生の通学や市外からの観光客誘致として、JR烏山線は本市に不可欠な生命線です。市民一人ひとりが当事者意識(マイレール意識)を持ち、積極的に利用することで、JR烏山線を未来へつないでいくことができます。この意識こそが、JR烏山線を守る鍵なのです。

■官民一体で展開していく「マイレール運動」
市では以前から、JR烏山線に対する市民愛醸成や利用向上策に取り組んできました。今回の「那須烏山市JR烏山線マイレール運動」は、これまでの取り組みを土台にして、さらに進めていくものです。(表1)
中でも、「からせん応援隊」「からせんチャレンジ」の取り組みは現在、市職員が中心となり、市民の皆さんへの展開に向けた準備を進めています。
令和8年度以降、市民参加型での本格始動の体制が整った際は、具体的内容をお知らせしますので、ご協力をお願いします。

■今日からできるマイレール運動のアクション
マイカーを運転している人も、高齢になり運転免許証を返納したとき、子どもが通学に利用したくなったときなど、いつか車以外の移動手段が必要になる時が来るかもしれません。将来を考えると、誰にとってもからせんの利用は「自分ごと」と思えませんか?
今回紹介した取り組みの中で、自分にもできることがきっとあるはずです。この取り組みをきっかけに、家族や友人とJR烏山線について話してみたり、通勤や買い物でJR烏山線に乗車してみたり、お子さんやお孫さんと一緒にJR烏山線に乗る機会をつくってみたりするなど、身近なことから始めてみませんか。

■マイレール運動以外にも乗客数を増やす対策
自転車をそのまま列車に持ち込める「サイクルトレイン」を始めました。サイクルトレインを利用することで、自転車で駅から目的地までスムーズに移動できるため、通勤・通学・観光など幅広い目的での利用が可能になります。
次のページでは、「サイクルトレイン」やイベント「からせんサイクルめぐり」を紹介します。

▽乗って残そう烏山線!未来へつなぐ助成金
JR烏山線平均通過人員の推移JR烏山線を3人以上で利用した場合、JR烏山線区間利用分の運賃全額を助成します。
また、受験生を応援するため、高校・大学入試や高校などが開催する見学会などへの移動では1人から申請できます。
助成期間:令和8年3月31日まで
対象:市内在住の人
詳細は、市ホームページをご覧ください。