- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県下野市
- 広報紙名 : 広報しもつけ 令和7年10月号
■お祭り・「オクトーバーフェスト」1
Feste(フェステ): „Oktoberfest(オクトーバーフェスト)“
今回から2回にわたって、ドイツの「オクトーバーフェスト」について紹介したいと思います。
先月から、ドイツ16連邦州のひとつである南ドイツバイエルン州都ミュンヘンで、世界的に有名な「オクトーバーフェスト」、10月祭りが行われています。10月祭りと言いますが、実は、オクトーバーフェストは9月に始まります。今年は9月20日から10月5日まで、テレージエン・ヴィーゼ広場で開催されています。ここは、ミュンヘン市内の西に広がる、バイエルン王が残した宴の舞台です。ミュンヘン中心部から徒歩圏内にありながら、42ヘクタールもの広大な土地が確保されており、クリスマスの時期には、コンサートやショー、「トールウッド(Tollwood)」というイベントでにぎわいます。
毎年オクトーバーフェストの2週間は、約600万人もの人がビールを飲むためにミュンヘンに押し寄せます。それはミュンヘンの人口の約4倍ですので、この時期のミュンヘンはとてもにぎやかになり、地下鉄などすべてが非常に混み合います。オクトーバーフェスト最初の日、人々は大きなテントに集まって、ミュンヘン市長(現在はディーター・ライター市長)がビールの樽に栓を打ち込みます。ビール樽を開けたら、オクトーバーフェストの開会を宣言する決まり文句、「O’zapft is(オツァップフトイース)!(樽の口を切った!)」でオクトーバーフェストが始まります。日本の鏡開きに似ていますね(4月に姉妹都市からの訪問団のための歓迎パーティーで見ることができました)。
オクトーバーフェストが初めて行われたのは、1810年10月です。そのときのメイン・イベントはビールではなく、バイエルン王太子ルードヴィヒ1世とテレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブルクハウゼンの結婚を祝うために開催された競馬競技でした。その結婚式を記念して翌年の同時期に同じ場所で開催された農業祭が、現在のオクトーバーフェストにつながっていきました。今でもオクトーバーフェストでノスタルジー溢れる華麗な馬場競技が開催されたり農業祭が同時開催されたりするのは、その名残です。
もともとのオクトーバーフェストは名前のとおり10月に開催されていましたが、9月の方が暖かく明るいので、時代の流れとともに開催時期が9月に繰り上がり、期間も2週間に伸びました。そうして、庶民の祭りになりました。ビールの話は次回詳しく説明します。お楽しみに!
■ミニコラム「日本のお祭り体験」
日本に1年留学した夏、クラスメイトにいろいろな祭りや花火大会に連れて行ってもらいました。
2022年8月には、有名な青森県のねぶた祭に参加できました。初めて七夕のような伝統的な神道の儀式から発展した祭りに参加した経験は、今でも忘れられません。日本の独特なたこ焼きや焼きそば、唐揚げなどを売っている屋台や、神聖な神輿と祭囃子(ばやし)をすべて味わえました。
今年も、ディーツヘルツタールとの姉妹都市締結50周年の歓迎パーティーで、お囃子(はやし)や獅子舞(ししまい)、おかめひょっとこ踊りを披露してもらい、貴重な経験ができました。そして、下野市が9月28日に「オクトーバーフェストしもつけ」を開催してくれることがとても楽しみです(※1)。お客さまがたくさん訪れ、ドイツで行われる「オクトーバーフェスト」についての私の発表を聴いたり、ビールを美味しく飲んだりしてくれるでしょう!
今まで参加できた市民活動センター祭りや産業祭、グリムの森フェスティバル、下野市国際交流協会のクリスマス会、そして来月からのグリムの森のイルミネーションなどなど、市内の他のお祭りをもっと楽しめることは「待つ間が花」ということわざのように期待感が高まります!(そして、これらのお祭りは実際の体験も楽しいのです!)
※1 執筆時はまだ8月のため。