くらし 那須平成の森からの「森便り」 vol.5

■「春の山の賑わい」
里に温かな風が吹く4月。山ではようやく雪融け水が、心地よい音を立て、里を目指して流れ出します。春の日差しの中を冷たい風が心地よく吹き、沢のせせらぎや鳥たちの歌声が耳を楽しませてくれます。
そんな春の森は足元も賑やかな様相で、「春の妖精」と呼ばれるカタクリを初めとした、可愛らしく色とりどりの花が、せいいっぱい光を浴びて、森を彩ります。
実は、雪が溶け、木々が葉を出すまでの1カ月間が、春の妖精たちが1年分の栄養を得るのにとても大事な時間なのです。
そんな生命が輝き、山中が光と色、音に溢れる初春の那須の山。何だかわくわくしてくる森を、訪れてみませんか?

■那須平成の森プログラムのこれから
これまで4回の「森便り」で、那須平成の森が今後取り組んでいきたいことについて紹介しました。今回からは、地域の皆さんと一緒に楽しい森づくりができるよう、より具体的な今後の取り組みについて紹介します。
那須平成の森を含む那須高原エリアは、那須駒の放牧や薪炭林としての利用が行われてきたことで、草原環境があちこちで見られました。那須には、そうした人と自然が共に育んできた風景や那須ならではの生態系が形成されています。美しいツツジ群落もそのひとつで、そしてそこには、その環境だからこそ生きていける動植物たちがいます。
しかし、現在の日本では草原環境が減少し、絶滅の危機に瀕している生き物たちが増えています。
そうした背景から、那須平成の森の中の草原環境を守る取り組みとして『明るい草地づくりプロジェクト』を5月下旬に実施する予定です。
このように、自然や歴史をお伝えするだけでなく、皆さんと一緒に、豊かで多様な「森づくり」に取り組んでいきたいと考えています。今後のプログラム情報等、発信をしていきますので、是非、ホームページ等でご覧ください。