くらし 〔特集〕3月8日は「国際女性デー」女性が活躍できる社会をめざして(2)

■プラチナ認定企業に聞く「株式会社十万石ふくさや」
埼玉県では、多様な働き方実践企業として、仕事と家庭の両立支援や女性の活躍推進に積極的に取り組んでいる企業を「プラチナ認定企業」として認定しています。同社は男女が共に生き生きと働き続けられる職場環境づくりを実践している企業として平成24年にこの認定を受けました。

◆代表取締役 横田康介さん
女性従業員の管理職の育成に特に力を入れています。わが社は従業員の約8割が女性ですが、これまでの社会的な背景もあり、販売は女性、製造や管理は男性を主としてきました。しかし、女性も能力のある人材がたくさんいます。そのため現在は、女性も広い視野を持ち、経験を積み重ねてステップアップできるようキャリアアッププランを設定しています。
仕事は「ただする」だけでは面白くありません。働く方は、目的や達成感など「やりがい」をもち、「男性だから、女性だから」といった固定概念を捨てて、何事にも諦めず、自分の夢を描いてほしいと思います。

◆「やりがい」をもって働くー
今野澄恵さん(行田本店副店長)

◇どのような仕事をされていますか
行田本店の副店長として、接客や店舗運営全般に携わっています。市内の皆様にはお馴染みの『十万石まんじゅう』をはじめとした和菓子の販売をしています。

◇どのような職場環境ですか
10〜50代まで幅広い年代の人が働いていますが、社員同士仲が良くアットホームな職場です。本店ということもあり、古くからのお客様の注文や特別注文が多いため、一人一人が責任感を持ちながらも、チームワークを大切にして仕事をしています。

◇仕事と家庭の両立のために利用した職場の制度はありますか
私は2人の子ども(12歳・15歳)がいますが、出産後の「育児休暇制度」や子どもが小さかった頃の「時短勤務制度」は非常に助かりました。余裕をもって保育園に迎えに行けるため、先生と子どもの話をしたり、子どもとの時間を多く作ることができたりしました。

◇仕事をしていて良かったこと・大変だったことを教えてください
お客様の好みや要望を伺い、希望に合った商品をお勧めして喜んでいただけたときは「良かった」と嬉しく感じます。
お盆やお彼岸、年末年始などは大変忙しくなるので、仕事と家庭の両立に苦心することがあります。

◇今後の仕事の目標や働き方に対する思いをお聞かせください
今まで培った経験を糧に、今後もお客様のライフステージや季節に合わせた商品のご提案をしていきたいです。
また、これまで職場の同僚のさまざまなフォローのおかげで、子育てをしながらも、「社会の役に立つ」というやりがいをもって働くことができました。
これからは、後輩の多様な働き方を応援する立場として、私ができるフォローをしていきます。そして今後も仕事に「やりがい」をもって、長く働いていきたいと思います。

■TOPIC トピック
◇国際女性デーはミモザの日
イタリアでは、3月8日の国際女性デーに男性から女性にミモザの花を贈る習慣があります。こうしたことから3月8日は「ミモザの日」ともいわれており、ミモザは国際女性デーのシンボルフラワーになっています。
イタリアでの花言葉は「感謝」。この文化は現在世界中に広がっています。

■えるぼし認定企業に聞く「株式会社ファイブイズホーム」
女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良な企業は、申請により厚生労働大臣から「えるぼし認定」を受けることができます。同社は令和6年7月に管理職比率や労働時間などの5つの基準を全て満たし3段階目(えるぼしの最終段階)の認定を受けました。

◆代表取締役 細井保雄さん
多様な人材が活躍できる環境を作り上げていった結果、国の認定を上回る状況となり、えるぼし認定を受けることができました。わが社では、女性が活躍できるよう育児短時間勤務を社員の状況に合わせて柔軟に対応しています。また監査役に女性を配置し、ハラスメントなどの相談がしやすい環境づくりも行っています。
住宅業界において女性目線というのはとても大切で、家事動線などを考えることにも長けていますし、きめ細かい点検作業もこなせます。
働く方は、男女問わず、どんどんキャリアを積んで、その会社のロールモデルになってもらいたいですね。

◆仕事も子育ても楽しんでほしいー
佐藤元美さん(品質管理部検査課長)

◇どのような仕事をされていますか
建築中の住宅を検査する部署で管理職として勤務しています。お客様に安心していただけるよう、新築物件の床下や天井、防水シートなどの検査を上棟から完成まで7回程行っています。

◇どのような職場環境ですか
検査課は17人いますが、そのうち6人が女性です。社員同士がフランクに話ができる風通しの良い職場で、仕事しやすい環境です。休暇も取りやすく、現在も課内の男性社員が育児休暇を取っており、子育てをしている人たちにも優しい職場です。

◇仕事をする上で心掛けていることはありますか
管理職ですので、部下に楽しく、また責任感をもって仕事をしてもらえるように、コミュニケーションを多くとり、小さなことでも共有できる環境づくりを心掛けています。

◇仕事をしていて良かったこと・大変だったことを教えてください
検査課は、建築中の建物が完成するまでのさまざまな工程を見ることができるので、ものづくりの大切さを感じることができます。
私は2人の子ども(9歳・12歳)がいますが、仕事と子育ての両立は大変です。日々、時間との戦いですが、周りの皆さんに助けてもらいながら働いています。

◇働く女性へメッセージを
住宅業界は女性の活躍の場が少ないというイメージを持たれている方も多いと思います。今はどの業界もそうだと思いますが、性別や業務内容に関係なく多様な人が活躍できる時代です。ぜひ女性の皆さんもキャリアアップを目指して頑張ってほしいです。
また、いろいろな考え方があると思いますが、私は社会とのつながりが大切だと考えています。働く母の姿は、今後社会に出る子どもにとっても良い影響があると思います。子育てと仕事の両立は大変ですが、どちらも全力で取り組んで、楽しんでほしいですね。

■TOPIC トピック
◇ワーク・ライフ・バランスを推進しさらなる女性の活躍を
少子高齢化や人口減少が進む中、女性の社会参画はこれまで以上に求められています。性別に関わらず、誰もがその能力を存分に発揮し働き続けるためには、出産・育児、介護などの対応を含めた、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)がますます重要です。
VIVAぎょうだでは、「男性は仕事、女性は家庭」といった固定的な役割分担意識を解消するため、男性向けの料理講座や女性の就職を支援するための講座の開催、セミナーの紹介などの情報発信を行っています。興味のある方はぜひご利用ください。

問い合わせ:人権・男女共同参画推進課男女共同参画推進担当(VIVAぎょうだ)
【電話】556-9301