くらし 埼玉県こども動物自然公園 かどちゃんの植物ZOO鑑

■花だより
門倉緑地係長

〔神無月(かんなづき)〕
かんなづきとは神様が出雲大社に集まるため、各地の神様が不在になるからという説と、実りの秋を迎え神様に感謝する月という説があるようです。
園内で、来園者に「この植物の名前はなんですか」と聞かれることがあります。なかでも、この季節はゴンズイが多いです。真っ赤な果皮が裂けて中から艶やかな黒い種子がのぞきます。植物が分布を広げる方法のひとつに「鳥にその種子を食べさせる」というものがあります。ゴンズイも同様で、その種子は硬く、簡単に消化ができないようになっています。
赤と黒の強いコントラストはとても目を引くため、この色の組み合わせは、人間界でもいろいろなデザインに使われています。このような実や種子による鳥への視覚的な誘導は同じ季節にクサギもよく目にします。こちらは、黒ではなく藍色の実で(これを見ると飛騨の人形サルボボを思い浮かべてしまいます)中には1~4個の種子が入っています。こちらも鳥が食べることによって分布を広げていますが、おいしくなさそうなのは、名前から察しがつきますね。
秋の動物園は他にも鳥の注意を引くような実がいっぱいあります。探してみてくださいね。

ゴンズイ:ミツバウツギ科の落葉小高木。関東以南に分布。名前の由来は諸説あるが、もろく木材に利用できないことから食用として役に立たない魚のゴンズイからとられたといわれている
クサギ:シソ科の落葉小高木。日本全土に分布。果実は灰汁を媒染に用いて、黄色の草木染ができます。悪臭があるため、漢字にすると臭木という。

※11月号は動物ZOO鑑です。

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