くらし 「好き」でつながる春日部の「歴史」と「今」と「未来」(2)

■春日部で今輝いている人たち
まちの「今」をつくっているのは市民の皆さん一人一人。ここでは、春日部のことがで、まちを盛り上げて、より良くしようと活躍している人の中から、4人の皆さんに活動内容やその想いなどを聞いてみました。

◆人が出歩きたくなるような楽しいまち・集える場所に
Q.「ふれあいウォーキング」を始めたきっかけは?
コロナ禍で高齢者の集まる場が減って、要介護になるリスクが高まることに危機感を覚えたからです。ウオーキングだけでなく、体操や筋力トレーニング、バランス運動なども行っています。男性も女性も車いすの人も、ご自身の体力に合わせて参加できますよ。居場所として、参加者同士の交流を楽しみにしている人も多いです。

Q.「暮らし図書室」を始めたきっかけは?
「まちが楽しくなければ人は歩かない」と思い、シャッター商店街活性化のために、リノベーションスクールに参加したことがきっかけです。そこで出会った仲間と、オーナー本棚制の私設図書館を武里で始めました。2階にはまちのリビングを目指したスペースも。地域の人に気軽に立ち寄ってほしいです。

Q.今後、春日部で実現したいことは?
共生社会を実現できる拠点を創りたいと考えています。例えば介護・児童のデイサービスと、地域の人が集える場所を一体型にするイメージ。老若男女問わず誰もが関わり合うことができる、「ごちゃ混ぜ」が当たり前な社会にしていきたいなと思っています。

○春日部のここが好き
挑戦したい人にとって、選択肢が多いところ
袴田徹(はかまたとおる)さん
(株)リハビリコンパス代表取締役。理学療法士。令和3年から、ふれあいウォーキング事業でウオーキング講師を務める。厚生労働省主催「通いの場全国フェスティバル」最優秀賞受賞。市のリノベーションまちづくり事業に参加、武里の「暮らし図書室」を手掛ける。(一社)あんど暮らし代表理事。

◆得意分野を生かしてまちの人と交流
Q.春日部で飲食店を始めたきっかけは?
父が店を始めて半年ほどでコロナ禍となり、店を閉めることになったんです。せっかく作ったお店を無駄にしたくない、また私自身も何かしたいという想いから引き継ぐことを決意。店名も新たに令和2年の6月にリニューアルオープンしました。

Q.YouTubeを始めたきっかけは?
きっかけは、コロナ禍でお店が休業中に「お酒を飲む習慣を忘れてほしくない」と作った晩酌動画。外出自粛期間が終わってからは、市内の飲食店を飲み歩く動画も制作するように。今ではまちで声を掛けられたり、動画を見た人が店に来てくれたりします。地域イベントに参加して、まちを良くしようと活動する人たちと出会ったことで、春日部の魅力をより強く感じています。

Q.今後、春日部で実現したいことは?
春日部駅の高架化が完成したら往来も活発になると思うから、みんなが気軽に立ち寄れるような飲み屋街を作りたいです。それからもっと積極的にまちのイベントに参加して、春日部のアイドルになれたらいいな(笑)。

○春日部のここが好き
飲食店の幅が広くグルメな人が多い!
斉藤結女(さいとうゆめ)さん
飲食店オーナー。ユーチューバー。YouTube(ユーチューブ)チャンネル「ゆめの酒チャン」(8/1現在、登録者数7,340人)で、主に市内の飲食店を紹介。自身も市内で飲食店2店舗を経営。

◆ほっとひと息つける 子育てに寄り添う助産院
Q.春日部で助産師を始めたきっかけは?
子育て中に、地域の人の何気ない行動に助けられたことがあったんです。通りすがりに優しく声を掛けてくれたり、お花をもらったこどもが上機嫌になったり。その温かい想いをつなぐため、春日部で助産師としての活動を始めました。ランチ会などのイベントも開催しているので、ぜひおしゃべりしに来てください。

Q.子育て支援で知ってほしいことは?
7月から春日部市でも、宿泊型に加えてデイサービス型・訪問型の産後ケアが始まりました。赤ちゃんの寝かしつけやお風呂の入れ方、授乳などを練習したり、子育ての悩みを相談できたりと、育児中のお母さんにとってうれしい仕組みです。子育てに寄り添った利用しやすい支援のあり方について、行政と一緒に取り組んでいければと考えています。

Q.今後、春日部で実現したいことは?
「どんなふうに産みたいか」「どんな子育てをしたいか」を出産前からじっくり考えられる、“バースプラン”を立てる文化が広まってほしいなと思っています。そして、誰もが安心して頼れる場所として、地域に助産院が当たり前にある未来をつくっていきたいですね。

○春日部のここが好き
世代を超えた支え合いができるところ
天満屋敷千幸(てんまんやしきちさち)さん
助産院母魂(ぼこん)院長。3月に市と「災害時等における福祉避難所の設置運営に関する協定」を締結。災害時に妊産婦や乳幼児と家族が安心して避難できる環境を整備し、母子の安全と健康を守る体制を強化。市民への妊娠・出産・育児支援を行っている。

◆日本一周を経て、春日部は「戻ってくる場所」
Q.カメラマンになったきっかけは?
銀行員としてお客さまと向き合ううちに「仕事に大切なのは人の魅力だ」と気付かされ、退職後約7カ月かけて自転車で日本一周の旅に出ました。道中で出会った人とのつながりや地域資源を生かしたいという想いが、今の活動のベースになっています。頼まれた仕事をやっていくうちに撮影の仕事が増え、カメラマンになっていました。

Q.農業を始めたきっかけは?
コロナ禍で移動が制限される状況になり、全国を飛び回っていた時にはできなかったことに挑戦しようと畑を始めました。今は耕さず育てる「不耕起栽培」を実践し、関心のある人に手伝ってもらっています。畑で出会った人同士による挑戦も始まっていて、新たなつながりが広がっていることをうれしく思います。

Q.今後、春日部で実現したいことは?
人との出会いを求めて出発した日本一周でしたが、次第に「旅で得た発見は春日部に還元したい」と思っている自分に気付きました。今も全国各地で仕事をしているけれど、僕が戻ってくる場所は春日部。いつか春日部にある街道沿いの文化や貝塚など、歴史的な地域資源を生かした取り組みをしてみたいです。

○春日部のここが好き
ほどよいスピード感と余白がある「ゆるさ」
梶直輝(かじなおき)さん
フリーランスフォトグラファー。カメラマンとして全国を行脚し春日部のPRをしている。さまざまな活動により得た自身の人脈を生かし、異なる分野の人々をつなぐ取り組みをしている。活動の様子は各種SNSで発信中。