文化 【特集】スマイラ・ハートアート ~線を楽しむ~
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県蕨市
- 広報紙名 : 広報蕨 令和7年10月号
先月2日、総合社会福祉センターで、洋画家の智内兄助さんと多機能型事業所スマイラ松原の通所者の皆さんで共同作品を制作しました。ここ本紙2、3ページでは、その様子をお伝えします。
洋画家として世界的に活躍し、蕨市文化協会の会長も務める智内兄助(ちないきょうすけ)さん。近年、注目されている「アール・ブリュット(詳細下記)」に取り組むため、先月2日、障害のある人の支援を行うスマイラ松原の通所者の皆さんとともに、作品を制作しました。
用意したキャンバスは縦1.7メートル、横3.6メートルの金屏風(びょうぶ)。通所者の皆さんが施設での創作時間に作った作品を事前に確認した智内さんが、まるでオーケストラの指揮者のようにそれぞれの個性を生かせるよう、描く位置や大きさを導き、一つの作品としてまとめあげていきます。参加した30人は、筆だけでなく、モップやペットボトル、猫じゃらしなども使いさまざまな線を描き進め、その度に、自然と拍手が湧き起こり、笑顔があふれました。
こうして出来た作品は、11月12日から16日まで開催される蕨市公募美術展覧会(市展)で披露されます。ぜひ、ご来場の上、「生の芸術」を直接感じてみませんか(関連下記)。
■アール・ブリュット
「生の芸術」を意味するフランス語で、フランスの画家・ジャン・デュビュッフェが提唱した概念。専門的な美術教育を受けていない人から沸き上がる衝動によって制作した作品で、作り手には障害のある人も含まれます。技巧や流行にとらわれず、既存の文化芸術を超克するかのような、枠にはまらない創造力に注目が集まっています。
■Interview
○智内兄助さん
洋画家・蕨市文化協会会長・蕨市美術連盟会長/77歳。北町在住。愛媛県生まれ。東京藝術大学・大学院で油絵を学ぶ。平成4年に毎日新聞の連続小説「藏」の挿絵を担当し、人気を博す。13年に蕨市けやき文化賞受賞。14年からフランスのパリで定期的に個展を開くなど活躍の場を海外にも広げている
○誰もがアートに親しむまちに
飽くなき線が暴れる・ぶつかる度に興奮しました。特によかったのは、一人ひとりが描き終わったときに拍手が起こったこと。まさにみんなのハートとハートが一つのアートになりましたね。市展で展示するので、多くの人に生のままの美しさを肌身で感じてほしいです。市展は誰にでも開かれた展覧会です。ぜひ、あなたの作品もいっしょに飾りませんか。
■第56回蕨市公募美術展覧会
会期:11月12日~16日 午前10時~午後4時(16日は3時まで)
場所:くるる
対象:平成21年4月1日以前に生まれた市内在住・在勤・在学者または市内文化団体会員
応募:絵画・彫刻・工芸は1点、写真・書道は2点以内(未発表の創作物)
搬入:11月7日の午後5時~7時または8日の午前9時~正午
※入選作品を展示。
搬出:11月16日の午後3時~4時(書道は3時半から)
※募集要項は本紙またはPDF版掲載の二次元コードを御覧ください。
■前年度の受賞作品展示中!
日時:17日まで平日午前8時半~午後5時15分
場所:市役所1階多目的会議室
問合せ:生涯学習スポーツ課
【電話】433・7729
