- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県鶴ヶ島市
- 広報紙名 : 広報つるがしま 令和7年3月号
■桃の節句の食べ物[健康応援団No240]
「桃の節句」は、3月3日に行われる日本の五節句の一つで「ひな祭り」ともいわれます。中国から伝わり、人の形に切りぬいた紙を川に流して身を清め、桃の花を浮かべたお酒を飲んで宴を行う風習が、日本では厄払いをする「流し雛」としてとり入れられました。現在のようなひな人形を飾り、女の子の成長と幸せを願う行事となったのは江戸時代以降です。季節の変わり目のこの時期は体調を崩しやすく、健康を保ち上手に乗り越えることは当時の人々の切実な願いでもありました。
「桃の節句」の食事には、白酒、草餅、ひし餅、ひなあられ、ちらし寿司などがあります。白酒や草餅には邪気を払う意味があり、3色が美しいひし餅は、諸説ありますが残雪の白色、木々の芽吹きの緑色、桃の花の桃色と節句の時期の情景を表すとされています。そして祝いの席にぴったりのちらし寿司は、長寿にと「海老」、見通しが良いようにと「れんこん」などが使われ縁起のよい料理です。
そこに、旬の菜の花やタケノコ、山菜などを加えると彩りもよく華やかな春を呼ぶ1品となります。
これらを食べ「桃の節句」を楽しみながら、季節の変わり目を元気に乗り越えましょう。
参考文献:山上徹著「食文化とおもてなし」(株)学文社
女子栄養大学 栄養クリニック管理栄養士 由井美和(ゆいみわ)