くらし 施政方針

2月21日に開会の令和7年第1回ふじみ野市議会定例会で、市長が表明した新年度の政策方針の概要をお知らせします。

「誰もが 住みたい 住み続けたい」と思うまちに

ふじみ野市長 高畑 博

◆ふじみ野市誕生から20年
本年10月1日、本市は誕生から20年を迎えます。私はこれまで、まちの合併を人に例えて市民の皆さまにお話してまいりました。産声をあげてから20年、人に例えれば二十歳の節目となります。人生の中で最も大きく成長する時期であります。本市誕生からの20年は「成長」というよりは、市民の皆さまとともにまちの礎を築いてきた歳月であります。
大きな節目を迎えるに当たり、令和6年度のタウンミーティングにおいては、20年の節目を意識した中で、テーマを「未来に向けて今、ここから」として、今日までのまちの移り変わる様子を映像や写真を用いてご紹介するとともに、これまでの取り組みについて説明させていただきました。参加いただいた皆さまには、ふじみ野市が大きな節目を迎えようとしていることを共有していただけたものと思います。
迎える令和7年度はさまざまな機会を通じて、大きな節目を迎えたことを全ての市民の皆さまと共有し合える年にしていきたいと考えております。そして、市民の皆さまとともにさらに磨きをかけて、未来につながる持続可能なまちづくりのために全力で取り組んでまいる所存でございますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

◆20年を振り返って
さて、20周年を迎えるに当たり、これまでを少し振り返ってみたいと思います。
平成16年に当時の上福岡市と大井町により設置された合併協議会における協議により「ふじみ野市」が誕生しました。新市の誕生により、行政事務の効率化による行政経費の削減を図るとともに、合併特例債など大きな財政的恩恵を受けることができました。この合併による特例を最大限に活用することによって、限られた財源を活用しての施策展開を幅広く推し進めることができました。
教育の分野では、小・中学校の耐震補強、大規模改造などとあわせて、県内に先駆けて市内全校の体育館へエアコンを設置することができました。ごみ処理の関係では、三芳町との共同事業によりふじみ野市・三芳町環境センターを設置し、災害関連では、台風や豪雨に備えて雨水貯留浸透施設を設置するとともに、市民の皆さまのご協力の下、各戸貯留浸透桝を設置することができました。また、総合体育館のリニューアル、ステラ・イースト多目的棟およびステラ・ウェストの整備を行い、スポーツ・文化施設の充実による健康の促進と文化の醸成を図ってまいりました。
一方で、市立大井プールにおいて一人の尊い命が失われるという痛ましい事故、地域医療と介護を支える医師らが患者の家族の銃弾により死傷するという痛ましい立てこもり事件がありました。こうした繰り返すことがあってはならない事故や事件を教訓として、日本一安全・安心なまちにしなければなりません。私は、この責務を全うし続けるとともに、このまちをさらに光り輝くものとすべく、市政運営を推進していく所存でございます。

◆新たなステージに向けて
さて、オーストラリアでは昨年11月、16歳未満の青少年を対象としてSNSを禁じる法案が可決されました。一方、ユニセフなど子どもの権利擁護団体は、子どもの表現の自由や権利を妨げるとして懸念を表明しました。子どもに限らず人間の命や犯罪被害を考えると、単純に権利と天秤にかけられませんが、表現の自由や子どもの権利も大変重要であり、非常に難しい問題であると思います。
本市では「こどもの未来を育む条例」を令和4年に施行し、子どもの権利と併せて、市の責務と保護者や地域住民の役割を示させていただきました。子どもたちの権利は尊重しつつ、夢と希望を抱きながら、生き生きと成長していくことができる、子どもにやさしいまちの実現のため、引き続き「オールふじみ野」で取り組んでまいります。
間もなく誕生20周年の節目を迎えようとしている今、市民の皆さまとともに、新たなステージに向けて力強く踏み出して、ふじみ野市を「誰もが 住みたい 住み続けたい」と思っていただけるまちにしたいと考えております。「このまちで暮らす全ての市民が一つの家族のようなあったかいまちにしたい。そして何より大切なことは、子どもたちの笑顔を増やすこと」この思いを胸に、市民の命と暮らしを守ることを第一に、引き続き全身全霊で取り組んでいく所存でございます。