子育て ≪特集≫みんなに笑顔を届けたい 学校給食(1)

◆給食は生きた教材
明治22(1889)年に山形県鶴岡市の小学校で、生活が苦しい家庭の子どもに無償で昼食を用意したことが、学校給食の起源といわれています。
昭和27(1952)年、完全給食が全国の小学校を対象に実施されました。当時は鶏肉や豚肉が高価なため、安価な鯨肉が主流だったそうです。戦時中は一時中断されましたが、昭和29(1954)年に学校給食法が制定され、学校給食の実施体制が法的にも整いました。
平成21(2009)年には学校給食法が改正され、「学校における食育の推進」が新たに規定されました。
学校給食は、成長期にある児童・生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供しています。健康増進、体位向上を図ることに加え、食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材としての役割を担っていることから「生きた教材」とも呼ばれています。

◆ふじみ野市の学校給食
○食品・食材は安全で
化学物質を極力排除し、さらに、県内産の米、国内産の野菜や肉類、無添加食品などの安全な食材を使用しています。

○地元農産物を使用
郷土への愛着を深めるため、市内産、県内産の食材を積極的に使うよう努めています。

○季節感を大切に
日本の四季を味わい感じてもらうために、旬の野菜・果物などを積極的に使用しています。

○和食(米)を中心に
米飯を週3回、パンと麺を1回ずつ取り入れ、日本の食文化を伝えるため、おかずには野菜や魚介類などを使っています。

○素材を生かした手作り給食
炊き込みごはんや焼き菓子など、安全で美味しい真心込めた給食づくりに取り組んでいます。

○味のベースは天然のだし汁
料理によって、かつお節、昆布、煮干、鶏ガラ、豚骨、野菜などでだしを取り、味覚の幅を広げたり、塩味を抑えることで生活習慣病予防にもつなげたりしています。

○特別給食の実施
食への関心、楽しさ、マナーなどの理解を深めるために、行事食やリクエスト給食、卒業お楽しみ給食などを実施しています。

◆おしえて!給食センターのこと 学校給食ができるまで
みんなが食べている給食はどうやって作られているのかな?

○荷受け[07:45]
注文した食材の数量、規格が間違っていないか、産地はどこかなどを栄養士が検品します。肉や魚、豆腐などの生鮮食品、冷凍食品は品温や鮮度を確認します。

○検収室
作る献立に合わせて食材を計量し、センターの清潔な容器に振り分けます。

○野菜・果物下処理室、肉・魚下処理室、調味料室
野菜・果物下処理室では、野菜や果物を洗浄します。給食に泥や虫などが入らないよう、大きなシンクで水を循環させながら3回洗います。シンクは野菜の種類が変わるたび洗浄しています。
肉・魚下処理室では、唐揚げの衣をつけたり、焼き魚やハンバーグをオーブンの鉄板に並べる作業を行います。
調味料室では、その日に使用する調味料を計ります。この調味料の計量が給食の味付けを左右するので気を遣う大切な仕事です。

○だし作り(調理室)
かつお節と昆布、鶏や豚の骨と野菜などを使って、料理に合わせた「だし」を専用の釜で丁寧にとります。

○調理室、サラダ・和(あ)え物室、加熱室[09:50]
300ℓもの水が入るこの大きな釜で、スープや煮物などを作ります。「炊き込みごはん」もおいしく炊くことができます。
給食で提供されるサラダやあえ物の野菜は、衛生管理のため一度茹でています。茹(ゆ)でたての野菜も真空冷却機で一気に10度以下まで冷やし、ドレッシングなどとあえ、冷たい状態で提供します。
コンベア式のフライヤーは、揚げる温度と時間を設定し食材を入れると、油の中を食材が進みこんがりと揚がって出てきます。
スチームコンベクションオーブンは、焼き魚やしゅうまい、ケーキなどの焼き物や蒸し物を作ります。スチームの力でふっくら柔らかく仕上がります。中まで火が通っているか、中心温度を測り記録しています。

○配送[11:15]
でき上がった給食は、コンテナに入れられ、配送車で各学校に運びます。
でき上がりから2時間以内に食べられるように調理や配送をしています。

○洗浄室[13:20]
午後は各学校から戻ってきた食缶、バット、食器などをそれぞれ専用の洗浄機で洗浄します。食器やトレーはクラスの人数分に数えられ、高温の消毒保管機で乾燥、殺菌して翌日の給食に備えます。

◆ふじみ野市の食物アレルギー対応 アレルギーがあっても食事を楽しめるように
市では、食物アレルギーを持つ子どもたちが安全・安心な学校生活を送り、健やかに成長できるよう「アレルギー資料の提供」や「飲用牛乳のお茶への代替」、「卵・乳を除去した食物アレルギー対応食の提供(原則小学生)」を行っています。
子ども、保護者、教職員、学校給食関係者が食物アレルギーを正しく理解し、連携していくことが重要で、食物アレルギーを持つ子どもたちが9年間の義務教育を通して、食に関する正しい知識を持ち、自分の力でアレルゲンを取り除いて食事を楽しめるようになってほしいと考えています。

○食物アレルギー対応食
なの花学校給食センターの専用調理室で調理を行っています。アレルゲンの混入を防ぐため、個人ごとの専用のランチボックスを個別のカゴに入れ、学校へ配送しています。教室に届くまでに何段階もチェックをし、特別に管理しています。
またアレルギー症状を起こさないように、喫食前に献立表を見ながら必ず担任教諭と一緒に「食べる・食べない」の確認をする、食器の移し替えはしない、おかわりはしないなどのルールを決めています。