くらし 毛呂山町の豊かな森を守るために

■毛呂山町の40%は山林
毛呂山町は総面積34.07平方キロメートルのうち、約40%にあたる約13.67平方キロメートルが山林で、豊かな自然に恵まれています。
西部に広がる山地は標高約300mから400mで、外秩父山地の東縁部にあたり、一部が県立黒山自然公園に指定されています。

■森の役割について
1 山崩れ・土砂災害の防止
樹木や地表を覆う落ち葉や下草は、雨による土砂の流出や崩壊を防いでいます。

2 洪水や渇水の緩和
森林の土壌は、スポンジのようになっていて、雨水を蓄えて時間をかけて川に流します。

3 地球温暖化の防止
樹木は温暖化の原因となっている空気中の二酸化炭素を吸収しています。

■豊かな森にするために
森は、間伐を繰り返すなど、適切な手入れをすることで、健康で豊かな森になります。
しかし、全国で手入れが行き届いていない森が増えています。手入れが行き届かないと、下草などが育たず、土砂災害や洪水などの災害が発生しやすくなります。

◇手入れが行き届いていない森
木の間隔が狭く、全体的に暗いため、下草などがほとんど生えず土がむき出しになっている。

◇管理されて健康な森
木の間隔が広く、日光が入るため全体的に明るく、下草や雑木など多様な植物が生えている。

■間伐とは?
ヒノキやスギなどを植林するときに、一般的に1ヘクタールあたり3,000本から4,000本の苗木を植えます。木が大きくなり互いに込み合ってくると、森に日光が入らなくなり、木が健康に育たなくなってしまいます。そこで定期的に木を何本か切り倒して間引く必要があります。この間引く作業を間伐といいます。

◇間伐の手順
1 間引く木の選定
生育状態が悪い木や、曲がった木などを優先的に間引く

2 受け口をつくる
倒す方向と垂直に、30~45度の切り込みを入れる(受け口)

3 追い口を切る
受け口の反対側から水平に切っていく(追い口)

4 くさびを打ち込む
安全に伐倒するために、倒れる前に追い口にくさびを打ち込んで伐倒する

5 伐倒
傾いてきたら、安全な距離をとる

6 枝払い・玉切り
倒れたら枝を払い、丸太の長さを測って切って(玉切り)搬出する

※詳細は本紙またはPDF版をご覧下さい。

■間伐で豊かな森を未来に残す
斎藤材木店の近くを流れる毛呂川は、古くから流鏑馬のみそぎの場や、重要な水源として活用されており、現在も毛呂川の上流にあたる阿諏訪川から金塚浄水場で取水されている。
しかし、現在では毛呂川の水量は、80年ほど前と比べるとかなり減少してしまっている。
この水量の減少の原因として、様々な要因があると思うが、その一因として山林の荒廃にあるとも言われている。
間伐作業のため、町内の山林に入ることが多いが、荒廃し、うっそうとした山林も多い。
土砂崩れなどの自然災害を防ぐためだけでなく、健康な森は、水源として重要な役割を果たし、また二酸化炭素を多く吸収してくれるなど、地球温暖化対策にもつながる。
この大事な山林を、少しでも良い状態で未来へつないでいきたい。
有限会社斎藤材木店の齊藤社長

問合せ:生活環境課 環境係
【電話】295-2112(内線171・172)