その他 こんにちは 町長です

■地籍調査について
皆さんも「地籍調査」という言葉を聞いたことがあるかと存じます。人に関する記録として「戸籍」があるように、土地に関する記録を「地籍」といいます。国土調査法に基づいて、日本の国土を正確に、もれなく記録するための土地の基礎調査が地籍調査です。
この地籍調査は、市町村が中心となって一筆ごとの土地の所有者、地番、地目、境界、面積等を正確に調査し、測量を行い、その結果を地図(地籍図)や簿冊(地籍簿)に取りまとめる業務を言います。なぜ、地籍調査が必要なのかですが、土地に関する基礎的な資料として登記所に土地登記簿と公図がおかれています。それらの多くは明治の初めにつくられたものを元にしており、測量の精度が低く、実際の土地と異なっている場合もあり、土地に関するトラブルの原因ともなっています。そのため、最新の測量技術による地籍調査を行い、正確な地図を作る必要があります。
町では、平成6年度からこの地籍調査を開始しておりますが、現在までに長若地区全域(一部を除く)と下小鹿野津谷木地区、小判沢地区を実施しており、町全体の地籍調査の進捗状況は約10%となっています。
今までの調査手法は、一筆ごとの土地について所有者、地番、地目、境界等の調査を行い、土地所有者に立ち会い確認をいただくやり方で進めて参りました。これは「地上法」というやり方です。この調査手法で今までと同程度の予算で町全体の地籍調査を進めた場合、約300年という非常に長い年月がかかる計算になってしまいます。
また、高齢化社会の到来や土地所有者の不在村化の進展、管理の低下に伴う山林の荒廃、境界情報の亡失、急峻な山林などの現地立ち会いの大きな負担などから、小鹿野町のように森林を多く有する山村部では従来からの地上法による地籍調査はますます困難になってきています。
その様な状況の中で、近年の測量技術の進展により、高精度の空中写真や航空レーザー測量から得られるリモートセンシングデータを活用した新手法「航測法」の地籍調査の導入が進められています。
令和7年度から始まる伊豆沢地区の地籍調査について、山林部分も多い地区であり、山林の公図がないことや地籍調査のスピードアップを図る上からも、新しい手法の航測法により調査を実施したいと存じます。先般、伊豆沢地区に土地を有する皆様への説明会を実施いたしました。この航測法による地籍調査は、基本的には土地所有者の現地立ち会いは行いません。現地に訪問する必要がないため土地所有者の安全性を担保します。土地境界の明確化などは子孫への継承の基礎となるものであるとともに、町が行う施策の基本情報ともなりますので是非、ご協力いただきたいと存じます。

小鹿野町長 森 真太郎