くらし 【特集】私が創りたい寄居のまち 寄居ふるさと探究学
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県寄居町
- 広報紙名 : 広報よりい 令和7年3月号
■次世代を担う人材育成
町では、町民の高齢化や若い世代の町外流出といった課題が深刻化しています。町の調査では、老年人口(65歳以上)が年少人口(0~14歳)を上回り、今後もその差が拡大していくことや、生産年齢人口(15~64歳)が急速に減少していくことなどが見込まれ、担い手不足が町の将来に大きな影響を与えることが懸念されています。この現象は地方全体でも顕著であり、過疎化の進行による空き家の増加やコミュニティの衰退といった問題も浮き彫りになっています。地域の活力を保ち、未来につながる持続可能なふるさとを実現するためには、次世代を担う人材の育成が急務となります。
こうした背景を踏まえ、全中学校で「寄居ふるさと探究学」を実施しています。この特集では、生徒たちが町の課題と向き合い、未来の寄居町を描く探究学習の概要をご紹介します。
▽学習の流れ
Step.1)ゼミ開設に向けたガイダンス
さまざまな町の課題を発見。課題ごとに開設されたゼミに所属し縦割りグループを決定。
Step.2)縦割りグループでの探究活動
外部講師等の講話、専門家や企業への訪問を実施。グループごとに取材や調査も行いました。
Step.3)提言資料の作成
調べた内容を町長への提言としてまとめます。3年生が中心になってプレゼンテーション資料を作成しました。
Step.4)校内での発表会
各グループでまとめた提言を発表。
発表を聞いた生徒からはさまざまな意見が飛び交いました。
■「考える」ことの大切さ
寄居町教育委員会教育長 関根光男
寄居ふるさと探究学は、主体的・対話的で深い学びの具現化や郷土愛の醸成を狙いとして、令和4年度に男衾中学校で先行実施し、令和5年度からすべての中学校で実施しています。
総合的な学習の時間に、学年・学級の枠を取り払った縦割りグループを編成し、ゼミ形式で展開するPBL(Project Based Learning)、いわゆる「問題解決型学習」を展開しています。生徒たちは自分の興味や関心をもとにゼミを選択し、探究学習に取り組みます。この探究学習をより深めるため、町長への提言を設定しています。
寄居ふるさと探究学で大切なことは「考える」ということです。現状から問題を見いだし課題を明らかにし、その解決に向けて調べる中で、まずは自分で考える、そしてその考えを友達に伝える、同時に友達の考えをしっかり聞く。対話の中でさらに考え、みんなで最適な解答を見いだしていく。この学習の流れの中で、これからの時代を生き抜いていく力が徐々に育まれていきます。これをもとに一人一人が将来、自己実現を図っていくことを期待します。
なお「寄居ふるさと探究学」は、地域の皆さんや事業者の皆さんのご協力が必要不可欠です。今後も引き続き、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。