くらし 【特集】郷土かるたで学ぶ町の歴史と魅力

宮代町の郷土かるたが誕生してから今年で30年。現在は「新みやしろ郷土かるた」に生まれ変わり、多くの人たちに親しまれ続けています。今年のかるた大会にもたくさんの小学生が参加しました。郷土かるたは、絵札も読み札も町の人たちからの応募で作られています。今回は、かるたを楽しむ人たちの声から知った「郷土かるたの魅力」についてご紹介します。

■郷土かるたは歴史の教科書
年に1度の郷土かるた大会。会場で子どもたちに絵札の人物を尋ねると、「知ってるよ、ホッツケ作った人!」「英語の辞書作った人!」と元気な声が返ってきます。自信を持って答える姿は大人顔負けです。
子どもたちはかるたで遊ぶうちに、どんどん町の歴史を学んでいきます。「自分も子どもの頃に郷土かるたをやった」というお父さんお母さんが多いのには驚きました。「やっているうちに町の歴史を覚えちゃいますよね」とこの日参加していたお母さんは話します。
郷土かるた大会には、3人1組のチームを作って参加します。大会前になると進修館ロビーや、すてっぷ宮代で練習。子どもたちも、お父さんお母さんたちも、とても楽しんでいます。かるたの勝ち負けだけでなく、チームでお揃いのTシャツや応援グッズを作るのも大会の醍醐味。そうやってみんなで楽しむうちに、町の歴史を知り、愛着を深めていきます。

■子どもたちは、かるたに夢中
東小学校の中にある「いちょうの木児童クラブ」では、毎年12月から1月にみんなで郷土かるたを楽しみます。目的は町に親しみを持ってもらうこと。年によっては、希望者を募って大会を開くこともあるそうです。初めは札が取れなくて泣いてしまう子も、回数を重ねるごとに札が取れるようになります。上達が目に見えることで、子どもたちもモチベーションがあがり、夢中になっていきます。
低学年の子どもたちは、まず絵札の絵を覚えるところから始めます。少しずつ読み札を暗記し、高学年になると、かるたの題材となっている場所に行ってみる子もいます。児童クラブの先生は、「郷土かるたは、遊びながらふるさとの歴史や自然、伝統行事を学べるから良いですよね」と話します。子どもたちが楽しみながら学び、ふるさとへの愛着を深めていける。それが郷土かるたの大きな魅力です。

■かるたがつくる、親子の触れ合い
郷土かるたは、お父さんお母さんにとっても、新たな発見の連続です。
読み札にある解説を使って、学校の自主学習に取り組んだという佐久間さん。和戸に県内で1番古い教会があることに、家族みんなでびっくり。
別のお母さんは、「興味がわいて、子どもと一緒にかるたの札になっている場所に出かけました」と、親子での楽しみ方を教えてくれました。札は町を深く知るためのポイントがおさえられているので、かるたを楽しむ子どもと一緒になって大人もたくさんの事を学べます。
かるたを始めたことで、今まで知らなかった宮代町の魅力に出会うことができます。親子で掘り下げて調べてみるのも、ふるさとへの愛着を深めるきっかけとなります。

■新みやしろ郷土かるた大会
今年のかるた大会は8月2日に進修館大ホールで開催されました。町内の小学生49チーム総勢147名が参加。試合中の子どもたちは真剣な表情で札に集中し、読み札の一言一句を聞き逃さないよう耳を澄ませます。
参加した子どもたちは、夏休みに入った頃から、かるた大会を目指して町内の公共施設などで練習をしてきました。楽しそうにかるた練習に励む姿を見て、来年もぜひ参加してもらいたいと思いました。
学校とは違った学びを得られる郷土かるたが、この先もたくさんの子どもたちに親しまれていくと良いですね。

郷土かるたは、大会に関係なく多くの人たちにとって身近な存在として親しまれています。みんなで町の歴史を学び、町を好きになる。そこで生まれたふるさとへの愛着が、これからの宮代町の発展へとつながっていくのだと感じます。子どもたちが大人になった時、胸を張ってふるさとの素晴らしさを伝えられるようになって欲しいと思います。

宮代町を楽しく学べる「新みやしろ郷土かるた」については町ホームページをご覧ください

※その他、詳しくは本紙をご覧ください。