くらし 千葉のコレ知ってる?

■130 江戸を支えた物流拠点 関宿(せきやど)
今月は本紙3面に関連して、関宿の“コレ知ってる?”をお届けします!

◇水運の要衝として発展
関宿城博物館がある野田市関宿は、埼玉県と茨城県に接する千葉県最北西部に位置します。この地域は、江戸時代前期に幕府が行った「利根川東遷(とうせん)事業」により利根川と江戸川の分岐点になりました。これにより、東京湾に注いでいた利根川の流路は約60年をかけて銚子沖へと変わり、銚子や関東一円から江戸への物流の大動脈が完成。その結果、流域には輸送物資の中継地として多くの河岸(かし)(商業集落)が発展し、関宿はその中でも特に栄えた河岸の一つでした。
また、水運を利用した原料や製品の輸送が盛んになったことで、流域各地で醸造業や織物などの地場産業が発達しました。野田・銚子のしょうゆや流山のみりんといった特産品は、この水運の発展に支えられながら成長してきたのです。

◇水運の主役、国の登録文化財に
利根川水運で活躍したのは高い帆を掲げた「高瀬船(たかせぶね)」。最大で全長約30メートル、米俵1,300俵(約80トン)ほども運搬することが可能でした。
今年1月、県立中央博物館・大利根分館・関宿城博物館が収蔵する、高瀬船を含めた川船とその関連用具が交通分野では全国で初めて国の登録有形民俗文化財に登録されました。県立中央博物館では今月11日からこれらの貴重な資料を公開する企画展「利根川の高瀬船」を開催予定です。ぜひ足を運んで、当時の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

問合せ:県立関宿城博物館
【電話】04-7196-1400