子育て [特集2]里親~新しい家族のカタチ~

■里親~新しい家族のカタチ~
市内在住。現在、小学生の里子を育てている能重ご夫妻にお話を伺いました。
(聞き手・オレンジの会)

▽里親を始めたきっかけを教えてください
知人が里親をしていて、困っている子がたくさんいることを知り、実親と暮らせない子どもたちを育ててあげたいと思いました。実子がいなかったため、子どもを育てたいという気持ちも大きかったです。
夫婦で話し合い、里親になることを決め、児童相談所へ連絡して里親研修を受講しました。申請から里親登録認定まで約10か月でした。登録後は、すぐに委託がありました。

▽初めて子どもを預かったときの気持ちや様子を聞かせてください
子どもを育てたい気持ちがあったため、里子が来たことが嬉しかったです。最初の委託は2歳の女の子でした。児童相談所へ出向いて、何回か子育ての様子を見たり、触れ合ったりするうちに、その子を育てていく気持ちが湧いてきました。実際に生活が始まると、忙しくもなりましたが、徐々に家庭に馴染んでいきました。里父方の祖父母は、孫が来たという感じで喜んでいました。現在も里子と話すなど、関わりを嬉しく感じているようです。里子が庭で遊ぶ様子を近所の方はご覧になっていると思います。

▽地域との繋がりはありますか?
最初に預かった里子の時は、近所の方にもお伝えしました。その後、我が家に来た里子たちは、区や保育園、学校に里親子であることを知ってもらっています。里子について理解してもらい、市など周りの方々と連携することで、里親子にとっての安心・安全の基盤を作っています。

▽里親になって思うことを教えてください
里子が来てから、子ども中心の生活になり、家庭に笑顔が増えました。しつけのために言うべき時は言いますが、子どもの気持ちを尊重して、そのバランスを日々考えています。里子のお陰で、交流の幅が広がり、世界が広がりました。勉強になることも多く、ありがたいと思っています。里子を預かっていることで、あのお家には子どもを安心して遊びに行かせられると思われるようになり、周囲からの信頼が高まったように感じます。

▽未来の里親さんにメッセージをお願いします
実家庭で暮らすことができない子ども達を里親家庭に迎え入れ、家庭のぬくもりや色々な経験を1人でも多くの子に感じてもらいたいです。子育てをする喜びも出てくるので、少しでも興味のある方は、里親になってみてはいかがでしょうか。不安なことがあっても、関係機関や里親仲間と支え合いながら一緒に育てていけます。1人で頑張ろうとせず、子育てを楽しんでほしいと思います。

■家族のぬくもりを知らないまま暮らしている子どもたちがいます
▽里親制度とは
里親制度は児童福祉法に基づいた公的な「子どものための制度」です。虐待や親の病気など様々な理由で親と一緒に暮らせない子どもたちを養子縁組だけではなく、子どもにとって必要な期間、自分の家庭に迎え入れて養育することをいいます。

親と一緒に暮らせない子どもたちが全国で約4万2000人います。子どもがすこやかに成長するためには、安定した家庭環境の中で、保護者の温かい愛情のもとに育てられることが必要です。

▽里親は4種類
・養育里親
様々な事情により家庭で暮らせない子どもを一定期間、自分の家庭で養育する里親
・養子縁組里親
養子縁組によって、子どもの養親となることを希望する里親
・専門里親
養育里親のうち、虐待、非行、障害などの理由により専門的な援助を必要とする子どもを養育する里親
・親族里親
保護者が死亡、行方不明等により養育できない場合に、祖父母などの親族が子どもを養育する里親
※里親には、子どもの生活費や教育費など子どもの養育に必要な費用が公費で支払われます。

▽里親になるには
お住まいの地域を管轄する児童相談所へ相談に行く必要がありますが、千葉県からフォスタリング機関として指定を受けている『特定非営利活動法人子ども家庭サポートセンターちば(通称:オレンジの会)』があり、里親制度の普及・推進活動を活発に行っています。
里親に興味や関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。

問合せ:
オレンジの会【電話】28-4288
こども家庭センター【電話】22-3133
君津児童相談所【電話】0439-55-3100