文化 「料理でみんなを笑顔に」過去を乗り越え、未来を切り拓く。

今春、千葉県立佐倉東高等学校調理国際科を卒業した今関叶翔(かなと)さん(松尾町高富)。
幼少期から料理が好きで、高校卒業後は製菓の専門学校へ進学しました。
専門学校入学を控えた先月、文部科学省「トビタテ留学JAPAN高校生の部(【URL】https://tobitatemext.jasso.go.jp)」の第9期奨学生として、ボランティア活動のため成田空港からフィリピンの児童養護施設へ向けて出発しました。

出発前、取材のため自宅を訪れると、叶翔さんが手作りのチーズケーキで迎えてくれました。口の中いっぱいに拡がる甘く優しい味わいは叶翔さんとご家族のさまざまな思い、願いが込められています。

母みどりさんは「叶翔は、幼少時から集団生活が苦手で小学校では授業につけず、医師からは、ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)の発達障害と診断されました。当時、発達障害に関する情報はほとんどなく、同じ境遇の方も近くにおらず、本人も家族も精神的に辛い時期を過ごしました」と当時を振り返ります。

叶翔さんは小学3年生の時、カンボジアへ初めてホームステイに行ったことがきっかけとなり、その後フィリピンで2度のボランティア活動に参加しました。カンボジア、フィリピンでの経験は、その後の叶翔さんの人生に大きな影響をもたらし、帰国してから中学3年生まで毎日5時間1日も休むことなく、机に向かい小学1年生からの勉強をやり直しました。そして、第一志望の佐倉東高校調理国際科へ入学を果たしました。
叶翔さんの将来の目標は「料理で人を笑顔にすること」。無限の可能性を秘め、翼を広げて羽ばたき続けます。

◎1.2.3カンボジアでの様子(2015) 4.5.6.7セブ島での様子(2023)

人一倍助けが必要な自分が、もし人に喜んでもらうためにできることがあるとしたら、それは自分が作った料理で誰かを笑顔にすることだと思っています!フィリピンでは食材やインフラが限られた環境で、食べ盛りの子どもたちをどう賄い、厨房を回していくかを学んできます!

※詳しくは広報紙P27をご覧下さい。