くらし 警察と地域で取り組む、渋谷の防犯と交通安全。(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)5月1日号
―防犯・交通安全対策を見直して、新生活も安全に。―
■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
この春、新たに着任された渋谷・原宿・代々木の警察署長の皆さんに、街の安全を守る警察の取り組みや身近な防犯・交通安全対策について伺いました。
・渋谷警察署長 髙橋雅代(たかはしまさよ)さん
「SNSや電話でお金の話になったら、いったんやり取りをやめて冷静に。身近な人や警察署に相談してください。」
・原宿警察署長 竹内千加男(たけうちちかお)さん
「「リフォーム詐欺」も増えています。飛び込み営業はきっぱりと断り、その場で点検させない、契約しないことを心掛けましょう。」
・代々木警察署長 羽根秀之(はねひでゆき)さん
「子どもの交通安全対策は保護者が一番身近なお手本になります。率先して交通ルールを守ることを心掛けていただきたいです。」
◆管轄する地域により異なる事件や事故、相談の傾向とは
◇自己紹介をお願いします。
髙橋:渋谷警察署長の髙橋です。子どもの頃に見た刑事ドラマに憧れて、警察官を志しました。平成3年の警視庁入庁以降、捜査部門や管理部門、薬物銃器対策課などを経て、今年2月に渋谷警察署長に着任しました。
竹内:原宿警察署長の竹内です。同じく今年2月に原宿警察署長に着任しました。私が警察官になったのは、「悪いことは正さないといけない」という正義感からです。平成元年の入庁以降さまざまな部署を経験し、令和4年2月から5年8月までは代々木警察署長も務めました。
羽根:代々木警察署長の羽根です。私は、父の背中を追って警察官になりました。警視庁に入庁したのは平成6年で、鑑識係や外事情報分析官などを経て、今年2月に代々木警察署長に着任しました。
◇それぞれの地域で多い事件や事故、相談について教えてください。
髙橋:渋谷駅周辺を含む渋谷警察署管内では、酒に酔って路上で寝込んでしまった人が財布などを盗まれる被害や飲酒を起因としたトラブル、電動キックボードが関与する事故が他の地域と比べて多く発生しています。
竹内:原宿警察署管内は、竹下通りをはじめ大型商業施設やブランドショップなど、大小さまざまな商店が軒を連ねているため、万引き被害が多く発生しています。また、明治通りと表参道では物件事故※も多く発生しています。
羽根:代々木警察署管内は、3署の管轄区域で最も居住者が多い地域ということもあり、自転車盗難や万引き、近隣のトラブル、騒音やごみの投棄などの相談が多いことが特徴として挙げられます。甲州街道、山手通りなどの大きな道路では交通事故も多く発生しているため、交通安全対策にも力を入れています。
※人がけがをしない交通事故
◆地域と連携して行う啓発活動とパトロール
◇安全安心な街づくりのために取り組んでいることを教えてください。
髙橋:渋谷警察署では、渋谷駅や恵比寿駅周辺の繁華街エリアにおいて、違法な客引きやスカウトの取り締まりをしています。その他にも、交通事故防止対策として、悪質な交通違反の取り締まり、年齢や学年に応じた交通安全教室を実施しています。また、子どもの健全育成活動や非行防止対策の一環として、小中学生を中心としたクリーンキャンペーン(清掃活動)や薬物乱用防止教室、大学生や専門学校生に向けた闇バイト関与防止の働きかけも行なっています。
竹内:原宿警察署では、地域住民や商店街と連携し、パトロールを頻繁に行なっています。交通事故防止の観点では、特に高齢者や子どもたちが交通事故に巻き込まれることを防ぐため、原宿交通安全協会と共に啓発活動や自転車教室などを実施しています。
羽根:代々木警察署では、地域の皆さんと連携して行なっている取り組みが二つあります。一つは地域の犯罪被害防止を呼びかける「わんわんパトロール」です。町会の人が犬の散歩やウオーキングをする際に警察官が同行し、歩きながらパトロールを行うもので、情報共有や防犯意識の高まりにつながる取り組みです。パトロールをしていると自然と人が集まってきて、いつも終わる頃には人数が増えています(笑)。もう一つは、学習塾を母体とした交通安全ボランティアの結成です。令和6年12月から始まった、警視庁では新しい取り組みになります。最近は放課後に一人で塾に通う小学生も増えているため、日頃から交通ルールについてしっかりと指導し、見守ることが大切だと思っています。