くらし みんなでつくる、渋谷の街の運動場。(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都渋谷区
- 広報紙名 : しぶや区ニュース 令和7年(2025年)11月15日号
―どこでも、誰でも。渋谷の街に自由で楽しい運動場を。―
■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
道路や公園などを活用して、運動や遊びを通じた地域交流の場づくりを応援する「渋谷どこでも運動場プロジェクト」の企画・運営を行う皆さんに、活動の内容や魅力を伺いました。
・一般社団法人TOKYO PLAY 代表理事 嶋村仁志(しまむらひとし)さん
「「どこでも運動場」が渋谷から日本中に広まってくれたらうれしいです。」
・一般社団法人TOKYO PLAY プロジェクトマネージャー 髙橋利道(たかはしとしみち)さん
「運動場づくりをサポートします。一緒に楽しみましょう。」
・一般社団法人渋⾕の遊び場を考える会 代表理事 ⼊江洋⼦(いりえようこ)さん
「子どもも大人も遊びながら体を動かせば自然と仲良くなれますよ。」
◆運動も地域交流も、もっと気軽に
◇自己紹介をお願いします。
嶋村:一般社団法人TOKYO PLAY(トウキョウプレイ)(以下「TOKYO PLAY」)代表理事の嶋村仁志です。これまで、「プレーパーク」と呼ばれる冒険遊び場※で、子どもたちと一緒に遊び場をつくる「プレイワーカー」として経験を積み、平成22(2010)年にTOKYO PLAYを設立しました。現在は、「渋谷どこでも運動場プロジェクト」(以下「どこでも運動場」)をはじめとする市民活動のサポートや政策提言などを通して、子どもにとっての遊びの重要性を社会に伝える取り組みを行なっています。
髙橋:TOKYO PLAYプロジェクトマネージャーの髙橋利道です。私も「プレイワーカー」として活動した後、平成28(2016)年のTOKYO PLAYの法人化をきっかけに、組織の一員として関わるようになりました。現在は、主に「どこでも運動場」の企画・運営を担当しています。
入江:一般社団法人渋谷の遊び場を考える会(以下「渋あそ」)代表理事の入江洋子です。「渋谷にもプレーパークを!」と願って、平成10(1998)年に仲間と「渋あそ」をつくりました。「せせらぎ冒険遊び場」を開園した後、区と連携して「渋谷はるのおがわプレーパーク」「えびすどろんこ山プレーパーク」を立ち上げ、現在も活動中です。地域に遊び場を広げるきっかけとして、どこでも運動場に協力しています。
※「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした、禁止事項をできる限りなくすことで、子どもたちが伸び伸びと遊ぶことのできる遊び場
◇「どこでも運動場」とは、どのような取り組みなのでしょうか?
髙橋:身近な道路や緑道、公園、ビルの公開空地などを活用し、地域の人が体を動かしながらつながる機会づくりを応援する取り組みです。実施主体となるのは区内在住・在勤・在学の皆さんで、TOKYO PLAYは、それを支援する立場として関わっています。また、区内で長く活動をしていて、区民や区内の活動者とのつながりを持つ「渋あそ」にも協力をいただき、運営しています。
嶋村:TOKYO PLAYでは、平成28(2016)年から「とうきょうご近所みちあそびプロジェクト」を展開してきました。これは、交通量の少ない住宅街の道路を一時的に歩行者天国にして、子どもたちの遊び場や地域の多世代交流の場をつくる取り組みで、イギリスで広がっている「プレイストリート」がモデルになっています。この取り組みが、渋谷区が目指す方向性と合致することから、平成30(2018)年から区の事業として「どこでも運動場」がスタートしました。
髙橋:渋谷区は、「思わず⾝体を動かしたくなる街へ。」という健康・スポーツ分野のビジョンを掲げ、渋⾕区⾃⾝を「15平方キロメートルの運動場」と捉えて、運動が暮らしに溶け込むようなまちづくりを目指しています。「どこでも運動場」はその実現につながるものと考えています。
嶋村:運動する場所というと、体育館や競技場といった施設を思い浮かべがちですが、スペースさえあれば、どこでも体を動かすことはできるんですよね。特に道路は、自治体が保有する公共空間の中でも最大の面積を占めていますし、そこで遊ぶことは「思わず身体を動かしたくなる」ことにつながると思います。また、住宅街の道路は子育てや地域交流にとっても重要な場所です。適切な手続きを踏むことで、道路をみんなのものとして活用することができます。昔のように、大人がご近所さんとおしゃべりをしている横で子どもたちが遊んでいる、そんな光景があちこちで見られるようになれば、より暮らしやすい街になっていくのではないでしょうか。
◇参加者の年齢層や交流の様子について教えてください。
入江:赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年代の人が参加しています。輪投げや縄跳び、そしてけん玉やこまなどの昔ながらの遊び道具も用意していて、誰もが自由に体を動かして遊べるようになっています。初めは、親や知り合いとだけ遊んでいた子どもが、いつの間にか初めて会った人とも遊び始めたり、おじいちゃん、おばあちゃん世代の人が、子どもたちに誘われて大縄を回したりしているうちに、緩いつながりができて、道で出会ったときもあいさつをする関係が生まれているようです。
