文化 中野発世界に広がるアニメ文化

中野には、アニメ制作に関わる会社が数多くあります。アニメは、楽しむだけのものではなく、つくる人の思いや技術が詰まった「文化」です。
今号では、アニメ制作の流れやクリエイターの思いを紹介。中野で育まれるアニメ文化に触れてみませんか。

■中野がアニメのまちとして育まれてきた歩み
2000年ごろ、アニメ制作会社が区内に集まり始めました。当時、アニメ制作には車での原稿の受け渡しが欠かせず、交通の便が良く都心にも近い中野は、制作現場として理想的な立地でした。
同じころ、中野ブロードウェイでは、アニメグッズやフィギュアを扱う店舗が増え、徐々にアニメ文化の発信地として知られるようになりました。
今では、区と区内アニメ制作会社が連携してさまざまなイベントを開催しています。今年5月にはアニメ関連以外の区内企業も参加した「アニメでつながる中野実行委員会」を発足。8月には野外上映イベント「中野チルナイトピクニック」が開催されるなど、アニメを「つくる人」と「楽しむ人」がつながる場所へと進化しています。

■アニメはこうして生まれる
協力:(株)マッドハウス
☆制作の進め方は、作品や制作会社によって異なります

◇1 企画~作品のテーマや物語を考える
アニメ化に向け、どんな物語にするか、誰に届けたいかを話し合いながら、全体の構成を決定。世界観設定やキャラクターなどのデザイン制作も進め、具体的な作業の準備を進めます

◇2 脚本・絵コンテ~文章と絵で設計図を作る
物語を文章化し、脚本を執筆します。完成した脚本をもとに、作品の設計図となる絵コンテを制作し、各カットの詳細を絵と文章で説明します

◇3 レイアウト・原画~キャラクターの動きや構図を描く
キャラクターの動きや構図を決める「レイアウト」を作成し、重要な動きを「原画」で描きます。レイアウトをもとに、背景も制作します

◇4 動画~原画の間を描いて滑らかな動きに
キャラクターが自然に動くように、原画の間を描いてつなぎます。1話に使われる絵は何千枚にも及ぶため、緻密(ちみつ)な技術と作業が求められます

◇5 仕上げ~色を塗る
事前に決められた「色指定」に従って、キャラクターや小物を塗ります

◇6 撮影~カットごとに映像化
キャラクターなどの素材と背景を合成し、必要に応じて画面効果やエフェクト処理、カメラワークを加えます

◇7 編集~映像を1本につなげる
カットのタイミングやつながりを調整し、尺に合わせて映像素材を1本につなげます

◇8 アフレコ・ダビング~音で作品に命を吹き込む
声優によるセリフの収録、効果音や音楽の追加などにより映像に臨場感を与えます。音響監督が演技や音のバランスを調整します

◇9 完成~視聴者の元へ
放送・上映・配信など各フォーマットに合わせて整え、視聴者の元へ届けます

提供作品:
「Sonny(サニー)Boy(ボーイ)」(C)︎Sonny Boy committee
☆動画配信サービスやBlu-ray(ブルーレイ)BOX(ボックス)でご覧になれます。同作品を制作したスタッフによる映画「ghost(ゴースト)(仮題)」が2027年公開予定

次のページで、クリエイターの思いを紹介します

問合せ:シティプロモーション係/8階
【電話】3228-5467【FAX】3228-5456