くらし 新時代のあらかわへ!区民とともに荒川区の未来へつなぐ予算

2月14日、滝口区長は、令和6年度荒川区議会定例会・2月会議で、今後の区政運営の方向性と令和7年度予算の編成方針・重点事業を示しました。令和7年度の一般会計予算は、1319億円です。
施政方針の全文は、本紙の二次元コードで視聴できます。

今年は、昭和元年から100年を迎える「昭和100年」、そして戦後80年の節目に当たる年となります。生活・文化水準は飛躍的に向上するとともに、社会の在り方やライフスタイルは様変わりしました。一方、近年、世界にも類を見ないスピードで少子高齢化が進み、人口が減少に転じると同時に、生産年齢人口の割合が低下することで、社会保障をはじめとするさまざまな制度の見直しも迫られています。
社会情勢の変化に伴い、課題が複雑化しており、未来志向の区政を推進するには、行政の力に加え、区民の皆様や各事業者・団体が英知を結集し、一丸となり取り組むことが重要です。都市部のコミュニティの希薄化が課題となる中、荒川区には地域で支え合う力が息づいています。私は区政の各分野において、「世代」「地域」「人の力」の3つの力をつなぎ、荒川区の明るい未来につなげて参ります。
令和7年度予算案は、こうした思いで施策を具体化しました。主な施策は次のとおりです。

■子育てを支え、子どもたちを守る取り組み
区立学校等における修学旅行費用等の教育費の一部や、小児インフルエンザ予防接種費用を原則無償化します。また、23区で初めて防災キャップを区立小学校全児童へ配備するほか、食材費等の高騰に対し、給食の質や栄養バランスを維持できるよう給食費の補助単価を拡充します。さらに、都の助成事業に加えて、区独自に行う特定不妊治療費助成事業や、保育園に通う乳幼児の心の育ちをサポートする「とうきょうすくわくプログラム推進事業」のほか、保育施設の環境整備や運営体制強化のための補助を拡充します。また、子どもたちの居場所確保に向けた支援等の推進や、子どもたちが自由な発想で遊べるプレーパークの実施、花火やボール遊びができる場の整備等、遊び場の充実を図ります。

■学びの環境を整え、可能性を広げる取り組み
中学校の「あらかわ寺子屋」を外部委託し、安定した学びの場の構築を図るとともに、民間企業等と連携し、部活動の新たなカタチによる地域連携の取り組みを進めます。さらに、区立小学校低学年の学級担任を補助する「エデュケーション・アシスタント」の配置や、児童・生徒が使うタブレット端末に健康観察アプリを導入し、子どもたちの心の課題の早期発見を図る等、「チーム学校」としての支援体制を強化します。

■ひとりの命も犠牲にしない取り組み
防災士の資格を持つ区民による「あらかわ防災リーダー登録制度」を新たに開始するほか、未来の地域防災リーダー育成のため、中高生を対象とした防災士資格取得補助制度を創設します。また、分譲マンションの防災対策推進のため、都の支援の対象とならない管理組合が行う在宅避難の環境整備に向けた取り組み支援のほか、区の備蓄物資を段階的に3日分へ拡充します。さらに、屋内安全対策器具の設置・購入費用助成の拡充や、避難所周辺への消火器の追加設置等、出火防止対策と初期消火体制の強化を図ります。また老朽木造建築物の除却・建て替え等による不燃化の促進や、耐震化による建物倒壊の被害軽減を図るほか、防災アプリの機能を拡張します。安全対策では、AI・防災機能付きの防犯カメラを新たに設置します。

■健康寿命ナンバーワンを目指す取り組み
健康アプリの内容の充実や、中高年の女性を対象とした骨粗しょう症検診事業を新たに実施するほか、高齢者のインフルエンザ予防接種費用を無償化します。加えて、生活にお困りの世帯への子どもの学習・生活相談や、子どもの自立に向けた伴走型支援、高校生世代への新たな学習支援等、子どもの学習・生活支援の充実を図ります。また、住まいに課題等を抱えた方への包括的な支援のほか、障がい者の自立した生活支援のための相談支援事業所の体制整備を促進します。

■産業・観光の発信そして成長へ向けた取り組み
地域経済の活性化と観光プロモーションを推進するための区民・事業者が主体の協議会の設置に加え、区内中小企業者への経済急変対応融資の実施や、小規模事業者経営改善資金融資の利子補助の新設、公衆浴場への支援の充実を図ります。また、新たな観光ガイドマップの作成等、コンテンツの充実等による積極的な観光情報の発信、近隣区と連携したイベント等、周遊性の向上と区内外からの誘客を促進します。

■世代や地域がつながり、若者の活躍へ向けた取り組み
海外交流等を行う高校生を支援する事業を実施します。また、町会・自治会のデジタル化を支援するとともに、人情の温かさ等、区の風土を活(い)かした青年リーダー育成のための支援を拡充します。

■ゼロカーボンシティあらかわへ向けた取り組み
断熱ドアや直管型LED照明器具への改修費用助成の新設等、エコ助成事業を拡充するほか、プラスチック回収を区内全域に拡大します。さらに、区施設や私道の照明をLED化し、区全体の省エネ化を推進します。

■施策を効率的・効果的に推進していくための取り組み
DXのさらなる活用を促進するため、「GovTech(ガブテック)東京」との連携や、オンライン手続きの拡大等、業務の効率化と区民サービスの向上を図ります。また、区の目指すべき将来像等を定める新たな基本構想等の策定に向け、幅広い世代の区民参画のもと検討を進めます。

あらゆる世代の皆様の暮らしを支え、それぞれの思いに寄り添える区だからこそできる取り組みを進めつつ、効率的・効果的な運用を目指し、財源の確保や徹底した経費削減等にも最大限努めて参ります。現場目線、当事者目線を忘れることなく、区民の先頭に立ち、職員とともに、山積する課題、そして新たな課題の解決に向けさらに前進して参ります。
(要旨)

問合せ:総務企画課企画係
【電話】内線2111