- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都多摩市
- 広報紙名 : たま広報 令和7年2月5日号
■いま、別れのとき飛び立とう
今から五年前。新型コロナウイルス感染症で小・中学校は一斉休校となり、歌やエールで感謝や旅立ちを表現する卒業式は消えました。
子どもたちにとって人生の区切りとなる式が簡素化され、お世話になった先生や友人たちと別れの挨拶をする充分な時間がとれなかったのです。
さる1月13日、パルテノン多摩大ホールで「二十歳の祝賀祭」が行われました。毎年、市内の小・中学校を卒業した皆さんで実行委員会を作り、司会進行含めすべて手作りで行っています。
晴れ着姿の二十歳を迎えた皆さん約900人近くが集まり、私や議長の挨拶の後、自分たちで企画したクイズなどの催しへ。
中学生だった当時に公開された映画やドラマのタイトルをあてるロケ地クイズや当時、流行った音楽のイントロクイズなどで盛り上がっていました。
サンリオピューロランドからハローキティも駆けつけ、抽選番号を引くというキューピット役で登壇。会場は興奮の渦に。
私が感動したのは長松剛史実行委員長の挨拶と「旅立ちの日に」の大合唱でした。長松さんは卒業式が突如として大幅に縮小されたことに触れ、そのとまどいの胸中と「二十歳の祝賀祭」に込めた想いを吐露されました。
「いま、別れのとき飛び立とう未来信じて弾む若い力信じてこのひろいこのひろい大空に(旅立ちの日に:作詞=小嶋登、作曲=坂本浩美)」それぞれのパートの歌声がホールに響き会場全体が一つに。私の頬にも涙が…。
(多摩市長阿部裕行)