- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都大島町
- 広報紙名 : 広報おおしま 令和7年4月号
2 安全・安心でやすらぎのあるまちづくり-地域環境づくり-
住民一人一人が相互に協力して、地域を知ることにより、生活安全意識の向上を図り、環境にやさしく、きれいな水と緑豊かな潤いのある、安全・安心でやすらぎのある地域環境を形成します。
大島町では、地球温暖化に関する世界や我が国の動向、大島町を取り巻く状況を踏まえ、大島町ゼロカーボンシティを達成するため、令和6年3月に「大島町地球温暖化対策実行計画」を策定しました。2030年度(令和12年度)のカーボンハーフの実現に向けた大島町公共施設に関する取組みとして、耐震性などに問題がない施設の50%に太陽光発電設備の導入を進め、建物の建替え等に合わせてZEB化を図ります。
また、昨年国立電気通信大学と大島町との共同提案により3年間に渡る事業を開始した「円筒型太陽電池を活用した島嶼地域におけるソーラーシェアリング実証実験」では、新開牧場に設置するペロブスカイト円筒型太陽電池の下で明日葉を栽培し、発電量や塩害、農作物の成長等の研究を行い、大島町の地域資源の活用を図るとともに、離島向けソーラーシェアリングのモデル確立を目指します。余剰電力は、ぶらっとハウス等で使用していく計画です。なお、円筒型太陽電池はその特性上軽量・柔軟で設置場所を選ばないことから、電力需要の小さな指定避難所における災害時の非常用電源としての活用についても検討を行っていきます。
浮体式洋上風力発電については、規模や設置海域等の事業計画詳細の検討がなされているところですが、風力発電は太陽光発電と異なり夜間でも発電することができるため、太陽光発電を補完するものとなることから、災害時にはよりレジリエンスの向上に寄与することができると考えます。
防災対策では、災害に強いまちづくりのため、地域コミュニティとの共同により地域防災力の強化・充実を図るとともに、「地域防災計画改訂」と「防災備蓄庫整備事業」、「消防無線施設更新事業」「防災行政無線デジタル化更新事業」を実施し、災害に備えた準備・対応を進めます。また、昨年度に各避難所をはじめとする公共施設への公衆Wi-Fi整備を行いましたが、携帯電話の通信困難地域については、解消に向けて引続き関係機関に働きかけます。
上下水道事業について、当町では「人とともに進化する水道」を基本理念とし、公営企業として「大島町水道事業」を運営しておりますが、経営状況は非常に厳しいものとなっています。しかしながら安全・安心でおいしい水の供給に努めることはもとより、昨今の物価高騰による住民への費用負担増加を少しでも抑制するため、令和4年度から実施している水道料金5%相当分の補助を今年度も継続して実施します。
また、昨年度より公営企業として運営している「公共浄化槽整備促進事業」では、分散型の集落形態、多大な建設費用、受益者負担などを考慮し、地域の特性、実情に見合った形態で生活排水を処理できるよう事業を進めていきます。
3 健康で思いやりにあふれたまちづくり-福祉の充実、健康づくり-
大島町に暮らす子供からお年寄り一人ひとりに必要な福祉サービスが行きわたり、子どもが健やかに成長できる子育て支援サービスや、検診や予防接種などの健康に関する事業の充実を図り、誰もが生きがいを持ち、安心して健やかに暮らせるまちづくりを推進します。
保健・医療においては、大島医療センター設備・機器類の更新・改修等により当町の医療提供体制を確保・維持するとともに、各種予防接種やがん検診、乳幼児・妊婦検診を継続的に実施します。また、新規事業として、オンラインツールを活用した保健事業サービスを導入し、住民の更なる健康増進に努めます。
児童福祉事業では全国的な少子化傾向のなか、子どもたちは島の宝であることから、安心してこどもを生み育てることができる環境の整備、子供の成長に応じた様々なステージにおける子育て支援サービスの充実により、次代を担うこどもの健全育成を図ります。また、保育士や栄養士等の専門職を確保することが困難になりつつある事から「保育のICT化」による業務の効率化も実施します。
4 理解を深め、共に育むまちづくり-教育・文化の向上とふるさとづくり-
次世代を担う子どもたちが、豊かな自然の中で、地域や社会全体の力により、健やかに成長できる教育・子育て環境を整えます。地域の価値と魅力を認識し、郷土に誇りと愛着を持つことによって、住民が一体となった地域資源の継承を推進します。また、住民ひとり一人がよりよく生きるため、生涯にわたり学習できるスポーツや文化等の面において充足した環境や行事づくりを推進します。
令和6年度より学生寮の建設工事に着工した「島外生徒受入事業」では、前年に引き続き外構工事や備品の整備を実施するとともに、施設見学会や入居者の選考を行い、大島高校とも連携しながら令和8年度の離島留学生受け入れに向けた準備を進めます。
文化財の保存事業では、地域おこし協力隊の活用により文化財の登録や新たな掘り起こしを進め、継承者が減少しつつある地域文化や地域資源の継承を推進します。
学校教育に関する事業では、学校施設に防犯カメラを設置し、児童生徒及び学校関係者が安心して過ごせる環境を作るとともに、年々増加を続ける施設管理費の見直しについても進めていきます。子育て世代を支援したい思いから、昨年度から行っている「給食費の無償化」については、今後も引き続き取り組んでまいります。
また、図書館システムのインターネット対応化、三中グラウンド照明改修、三中体育館大規模改修・空調設置、さくら小体育館照明改修等により、すべての住民が利用しやすい施設づくりを目指します。