くらし 【特集】地域包括ケアシステム(3)

〔隣:隣の家の おばあちゃん 頼れる人は いるのかな?〕

◆家族だけじゃない 命を救う発見は、何げない気づきから
日常の何げない様子や、会話の小さな違和感をそのままにしないことで、周りの人の命を救えることもあります。

◇民生委員児童委員を知っていますか?
身近な相談役として頼れるご近所さん。普段から声掛けやあいさつ運動などで地域の人を見守り、行政や支援する人とつないでくれるパイプ役でもあります。

・民生委員 奥山さん
“日常会話で気づくことも。お祭りなどが、地域と関わる第一歩。”
仕事をしながら民生委員をしています。町内会での一人暮らしの人との食事会に定期的に参加し、会話を通じて困り事や変化がないか気にかけています。支援が必要な人には、民生委員同士で情報交換して、その人に合った支援先につなげられるよう心がけています。
他の民生委員や地域の人と出会えるのがいいなと思い活動しています。地域を見守るというとハードルが高そうですが、まずは町内会の行事やお祭りなどに参加し、気軽に地域の人と関わることから始めてみてください。

◇日々の活動の中で異変に気づく「地域見守りネットワーク事業」
配達業者をはじめ、地域の人と接する機会が多い事業者と行政が連携して、訪問先に異変があったら行政機関に連絡するなど、見守りの仕組みを設けています。
事業開始当初の平成24年度は、市内の協力事業者は8事業者でしたが、令和7年7月1日時点で78事業者となり、協力の輪を広げながらみんなで地域を見守っています。

〔趣:趣味の話を、 近所の誰かと 一緒にできたら いいな〕

◆「できる」の持ち寄りが、地域の笑顔を生み出す
趣味を楽しむことが、地域に貢献する活動につながることもあります。個人や団体などが持つ強みを生かして地域のために活動している人たちがいます。

◇趣味が集いの中心に「折り紙教室」
小規模多機能型居宅介護事業所ひつじ雲の集いの場「ひこうき雲」では、折り紙が得意な長島さんが、月に3回折り紙教室を開いています。「ものづくりをしてみたい」と近所の人から声が上がったのをきっかけに始めた折り紙教室は、今では地域とつながることができる集いの場となっています。

・折り紙教室開催者 長島さん
“みんなの希望を叶(かな)えたい。今はそれが自分の生きがい。”
折り紙教室中やその後のおしゃべりを楽しみに来ている参加者も多く、和気あいあいと活動しています。折り紙は指先を使うので、認知症予防にもなっていると思います。
参加者の皆さんが自由に自己表現できるように、折りたい作品の希望を聞いて、材料を何パターンか用意します。夜な夜な準備することもありますが、皆さんの希望を叶えるために勉強することも、今は自分の生きがいになっています。

◇歩くことが健康と子どもたちの応援に「かわさきTEKTEK」
歩数をポイントとしてため、そのポイントを市立の小・中学校などに寄付し、子どもたちを応援できるアプリです。ウオーキングで健康を維持しながら、市内の子どもたちを応援してみませんか?1日2,000歩からポイントがもらえるので気軽に誰でも参加できます。詳細は市ホームページで。

◇地域に笑いを届ける「落語de地ケア」
川崎区では、社会人落語家が趣味を生かし、地ケアの説明と落語を一緒に楽しめる催しを行っています。

◇週末に出現!みんなでつくる市場「よろこび市」
高津区蟹ヶ谷の看護小規模多機能型居宅介護事業所よろこび久末の駐車場で、月2回開催される市場です。近所の店舗や農家から仕入れたパンや野菜の販売、住民が寄付した服の提供をしています。地域の交流の場や、事業所の職員にちょっとした困り事を気軽に相談できる場になっています。

〔終:終活って もしかして、 今が考え始める チャンス?〕

◆自分と大切な人のため、元気なうちから考える
今をよりよく生きるため、そして万が一の時に家族や大切な人が困らないために身の回りを見直してみましょう。

◇まずは終活を知ることから
終活は手間がかかりそうと後回しにしていませんか?いろいろな企業がその人に合った終活をサポートしています。川崎信用金庫がセミナーを開いている他、市や社会福祉協議会でも支援を行っています。

・川崎信用金庫お客さまサポート部 田口さん
“終活は誰も分からない未来に備えて自分を見直すこと。それは家族のためにもなる。”
セミナーでは終活方法や遺言書について、人生に寄り添うパートナーとしてお伝えしています。終活は、身の回りを見直すきっかけになると同時に、万が一の時に家族のためにもなります。セミナーに行ける元気なうちから終活について考えてみてください。

◆~“支え合う”を、もっと知るには~
今回紹介した活動はほんの一部で、他にも身近な人のさまざまな活動によって、私たちの暮らしは支えられています。そして、支え合いによってできたつながりの輪は、このまちの未来につながっていきます。
地域の支え合いについてもっと知りたい人は、地域包括ケアシステムポータルサイトもぜひ確認してください。

問い合わせ:健康福祉局地域包括ケア推進室
【電話】044-200-0479【FAX】044-200-3926