くらし [特集]囲碁は一生遊べるゲーム(1)
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- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年8月第3金曜日号
年齢・性別・国籍問わず、遊べる「囲碁」。難しそう……と思っている方も多いのではないでしょうか。意外とルールは簡単で、子どもから大人まで楽しめるゲームです。世代を問わず囲碁を楽しむ皆さんに話を聞きました。
◆初心者に優しい囲碁のまち
大正から昭和にかけて活躍した囲碁棋士、木谷實(みのる)九段。かつて平塚市の自宅に囲碁道場を構え、多くの弟子を育成しました。木谷一門は主要タイトルの獲得など、たくさんの功績を残しています(本紙4面)。
その功績を讃(たた)え、市まちづくり財団では、前身の市文化財団が設立された平成11年から、囲碁のさまざまな普及活動をしています。同財団文化事業課の課長代理、四ツ谷将宏さんは「なぜ『囲碁のまちひらつか』と呼ばれているのか。そのルーツを知ってもらうため、各囲碁イベントで、木谷實九段と木谷道場を参加者に紹介する機会をつくっています」と話します。
◇始めやすい環境づくり
「初心者への裾野を広げられるように、囲碁入門教室や大会、イベントを考えています」と話す四ツ谷さん。「何歳からでも始められるので、大人向けの入門教室には、幅広い世代の方から応募があります」と説明します。
例年6月〜9月に開かれているモーニング囲碁入門教室には、今年は16人が参加。参加者らの手元にあるのは、通常の19路盤(縦横19本ずつの線が引かれた碁盤)よりも小さな碁盤。「囲碁に慣れてもらうため、初心者でもルールが分かりやすい9路盤を使っています」。囲碁のルールを知りたいと思ったきっかけが韓国ドラマだと話す参加者の1人は、「想像以上に頭を使うんですね。良い脳トレになります」と話します。
◆子どもの頃から遊ぶ
「子どもへの普及活動には特に力を入れています」と四ツ谷さんは話します。小・中学生を対象にした全5回の入門教室は、年2回、無料で開かれます。「集中して通えるように、春と夏の長期休みに開いています。そこでルールを覚えて楽しさを知り、そのまま通年で開いている囲碁教室に通う子が多いんですよ」とほほ笑みます。
◇スタートはアプリゲーム
通年囲碁教室は、棋力別で初級・中級・上級クラスに分かれています。初級クラスでは、まず棋力の近い人同士で対局。その後は子どもたちの「楽しい」気持ちを大切に、なるべく打ちたい人同士で打ってもらうようにしています。
小学校1年生の田本航志(こうじ)さんは、春の囲碁入門教室をきっかけに、通年教室初級クラスに通い始めました。中級クラスには兄弟2人が通っています。田本さんにとって囲碁は身近にあったものの、棋力が上の兄弟は一緒に打ってくれなかったとか。そこで始めたのが、囲碁のアプリゲームでした。お母さんによれば、教室に通う前は1人で黙々とアプリで囲碁を打っていたそうです。教室では、学校も学年も違う囲碁友だちや講師たちと、和気あいあいと過ごしています。「囲碁が楽しい!」という気持ちが、教室に響く元気な声から伝わってきました。
・「囲碁であそぼ!」をダウンロード
日本棋院が作成した広告なしで遊べる、完全無料のアプリゲームです。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
◇初心者も楽しめるまつり
10月12日(日)の「湘南ひらつか囲碁まつり」では、初心者も楽しめる企画を準備中。「毎年楽しみにしている方の多い1000面打ち大会で初心者向けのエリアを作ったり、入門教室を開いたりする予定です」と四ツ谷さん。「北は北海道から南は九州まで、囲碁ファンが集う囲碁まつり。ここまで大規模な囲碁の催しは平塚にしかありません。ぜひお越しください」。
また囲碁まつりには市内各地域の囲碁サークルなどの方が実行委員として活躍しています。「平塚には、各地域に囲碁を楽しむ方がいます。アプリでも地域のサークルでも、気軽に始めてみてください」。