子育て 【Zoom Up】一人一人に合わせた学びを AI型デジタルドリルを導入

市立小・中学校では2021年から、児童・生徒に一人一台のパソコン端末を整備して授業などで活用しています。5月からは人工知能(AI)が搭載されたデジタルドリルを導入。AIが子どもたちの正答率を踏まえた問題を出題し、理解度に応じた学びを提供していきます。

国はスマートフォンやタブレットなどの情報通信技術(ICT)を学校に整備し、個々の特性に合わせた教育を目指す「GIGAスクール構想」を掲げています。市教育委員会では子どもたちにパソコン端末を一人一台用意し、インターネットでの調べ学習や資料の共有などで活用してきました。時代に合った方法で学びをより深められるよう、5月からAI型デジタルドリル教材を新たに導入しました。

◆習熟度に合わせた問題を
導入したのは、子どもたちの理解度や学習進度に合った問題を自動で出題するドリルです。国語や算数(数学)、理科など主要な科目に対応しています。AIは一人一人の正答率を単元ごとに分析し、理解度が低い箇所には基礎的な問題、高い箇所には応用問題を出題(下記参照)。習熟度に合った問題と向き合うことで、学習でのつまずきの解消や応用力の向上が期待できます。
教員側では、児童・生徒の教科ごとの正答率や学習時間、解いた問題などを確認できるため、授業の進行や教え方に生かすなど、状況に応じたサポートがしやすくなります。玉川小学校の明石悠吾教諭は「休み時間などで自主的にドリルに取り組む子もいる。問題を解くとポイントがたまるなどの楽しく学べる要素も増えたので、より前向きに勉強できている」と話します。

◆学びやすい環境をつくる
他にも、端末の扱いに不慣れな子どもを支援するため、「GIGAステップアップ支援員」を配置。今年度から6人増員し、9人体制で全小・中学校を巡回します。また、端末の故障やバッテリーの劣化を受け、来年3月までに全ての端末を更新します。今後も安全で快適に利用できる環境を整え、子どもたちが楽しく学びを深められるよう、取り組んでいきます。

■AI型デジタルドリル教材の仕組み
▼問題集を解く
例)体積を求める問題

▽全問正解
応用問題などで得意を伸ばす
例)展開図から体積を求める問題など

▽正答率が低い
前の単元の問題で基礎を固める
例)立方体の体積を求める問題など

教員側では単元ごとの取り組み状況や正誤、全体の正答率などを把握できる。

問合せ:教育研究所
【電話】225-2682