くらし (特集1)選んで食べよう大和の野菜

「地元の新鮮な野菜を“地元の人たち”に食べてほしい」と語る農家の露木さん。地産地消には、「いいこと」がたくさんあるようです。大和で作られた新鮮な野菜、大和のみんなで食べませんか。

◆地産地消
~地元産の食べ物を食べること。
・鮮度が高くみずみずしい!おいしい!
・輸送コストがかからず、環境に優しい!
・生産者の顔が見えて安心!

◆「地産」の主役!
農家 露木美智雄さん

◇40歳からの農業~記録が習慣に
青々と繁った畑の中、土の香りをまといながら朗らかに笑う露木さんは、上和田地区で農業にいそしんでいます。市内の農産物品評会では過去何度も最優秀賞に当たる「優等」を受賞するなど、その腕前には定評があります。40歳で実家を継ぐ形で就農し、本格的に農業の道へ進みました。最初は右も左も分からず、「いつ、何の種をまくのか」といった基本的なことから、すべて自分で記録をつけ始めたとのこと。一連の流れをつかむまでに10年ほどかかったそうですが、今でもデータの蓄積とそのチェックは欠かさず、露木さんの真面目で実直な野菜作りの姿勢がうかがえます。

◇市内での地産地消100パーセント!
現在は約1・2ヘクタールの畑で、年間20種類もの野菜を育てています。特に力を入れているのは、“土づくり”。畑は雑草が一本も生えておらず、端正に整えられています。これには、作物の生育を阻害しない、病害虫のリスクを減らせるなど、さまざまなメリットがあるそうです。「見た目がきれいだと気持ちもいいでしょ」とほほえむ横顔には、畑への愛があふれています。
そんな露木さんの野菜は、100パーセント市内で消費されています。地元の小学校の給食には、約20年にわたって毎日のように野菜を納品しており、地域の子どもたちの食を支えてきました。また、イトーヨーカドー大和鶴間店にも10年ほど前から出荷を続けています。「顔の見える人たちに新鮮なおいしいものを食べてもらいたい」そんな思いが、地産地消を実践する形になりました。

◇“挑戦”を続ける。そして持続可能な農業へ
露木さんには“挑戦”の信念があります。「白いなすやイタリアなすを育てたことも。大抵の農家は、毎年同じ品種を育てます。変えると失敗することが多いからでしょうね。私は同じことを続けるのはつまらないので、変化を求めてしまう。しかも、一気に全部変えたくなるんです(笑)」実際に、一つのシーズンで栽培するとうもろこしの品種をすべて変えたこともあるのだとか。もちろん、うまくいかない年もあります。それでも「失敗したらそれはそれ。大事なのはデータをとっていかに次につなげていくかです」と、力強い言葉。データ活用の習慣が、露木さんの挑戦を後押しし、おいしい野菜作りの源となっているようです。
そして挑戦には、「気概だけでなく、お金も必要」とも。「例えばお金をかけて良質な肥料を使うと、おいしい野菜ができます。近年はさまざまな物価が高騰し、農業も例外ではありません」。そしてそう遠くない将来、直面するであろう、人口減少と食糧難の問題を見据え、「『野菜は少しでも安い方がいい』という声も分かりますが、それは生産者の減少にもつながってしまう。(現段階では)工場で大量生産することはできないので、適正価格を皆で考えていけたら」と語ります。
生産者の挑戦が持続可能な農業につながる社会を目指して。地産地消は、私たちが普段の生活の中でできることの一つではないでしょうか。
最近では、就農した息子さん二人と意見を交わす機会も増えているとのこと。品種を大胆に変えてしまうことに対しては、「よく怒られるんですよ。性格の違いですね」と笑う露木さん。その目には、これからの農業を託す世代への信頼と期待がにじんでいました。

・プロフィール
露木 美智雄(64)
1960年、大和市生まれ。東京農業大学卒業。会社勤務を経て、就農。少ない休日は妻の恵美子さんと旅行を楽しむ。

◆「地消」の主役は市民の皆さん!
野菜は家の近くで買う方が新鮮でいいです。できれば、夕方より朝。野菜を見ながらどうやって食べるか考えるのが楽しみです。漬け物にするなら梅昆布茶がお気に入り。セロリやかぶを漬けて、友人にあげると喜ばれます。
(さくら野菜マートを訪れた米山さん)

◆大和の野菜はどこで買える?
裏表紙に直売所マップを掲載!
※詳細は本紙をご覧ください。

◆大和地場野菜使用店認証制度
「地元で採れた大和地場野菜を積極活用する飲食店」を認証し、大和地場野菜を生産する農業者と飲食店を経営する事業者の両者を応援しています。
大和の新鮮な野菜を大和の飲食店で味わってみては。

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問い合わせ:市役所農業応援課農業応援係
【電話】260-5132【FAX】260-6281