くらし ~太平洋戦争 戦後80年を迎えて~次世代へ語り継ぐ、平和への願い
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- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県開成町
- 広報紙名 : 広報かいせい 令和7年8月号
昭和20年8月15日、太平洋戦争が終戦を迎えました。戦争では多くの尊い命が奪われ、また、多くの方が心身に深い傷を負いました。
あれから80年。戦争の悲惨さを肌で感じた世代の高齢化により、その貴重な体験を聴く機会が減少しています。
戦争の記憶を風化させず、平和の尊さを次世代にいかに伝えていくか、開成町戦没者遺族会(以下、遺族会)の皆さんにお話を伺いました。
■平和の尊さを伝える
平成20年に旧酒田村と旧吉田島村にそれぞれあった遺族会が合併しました。当時、会員は91人いましたが、会員の高齢化により、現在は46人にまで減少しています。
会長の遠藤さんは、「戦争で亡くなった祖先がいるかどうかすら知らない人も増えてきている」と危機感を示します。
「遺族会の役割は、戦没者への慰霊のほか、戦争の悲惨さや平和の尊さを次世代の多くの人に伝えることです。平和の大切さを町民の皆さんの心に築いていきたいと思い、毎年「平和のつどい」という行事を開催してきました。父を戦争で亡くしているので、人生道半ばで絶たれた父の無念さを想うと、その気持ちは人一倍です。」
■若い世代に輪を広げる
「遺族会の活動をする中で、若い世代にも戦争のことを研究している人がいると知って嬉しかった」と語るのは副会長の井上さん。
「小中高生に戦争のことを知ってもらい、知識を養うことは次世代への継承にもつながる重要なことです。遺族会46人の会員が約1万8000人の町民の皆さんに戦争のことを伝えるのは決して簡単なことではないですが、語り継ぐ対象を広げ、見える化する活動をしていきたいです。」
■次世代への継承
「7年前に父から遺族会の会員を受け継いだ」と話すのは、女性部長の露木さんです。
「開成町の遺族会は県内の他地域の遺族会より活発に活動しています。どうしたら次世代に知ってもらえるか、会員は一生懸命に考えています。これは日本全国の遺族会が抱えている課題だと思います。」
遠藤さんは「露木さんのように、戦争を経験していない「孫世代」の方が遺族会を支えてくれてありがたい。今後は戦争を知らない世代にバトンを渡すことになるので、我々の思いをしっかりと伝えなければならない」と話します。
■平和への願い
最後に皆さんは「日本で戦争があったこと、多くの人が辛い思いをしたこと、今日の平和な日常は当たり前ではないことを忘れないでほしい。そして、子どもたちが戦争で苦しむことのない、平和な未来を築いていきたい」と強調しました。
●[申込不要]太平洋戦争戦後80年・パネルディスカッション
今年は参加者とパネルディスカッションを通じて、戦争の悲惨さと平和の尊さを一緒に考えます。
日時:8月15日(金) 13時30分~16時
会場:町民センター3階 大会議室
内容:
・太平洋戦争戦中戦後の歌の披露
・ドキュメンタリー映画の上映
・パネルディスカッション
問合せ:福祉介護課
【電話】84-0316