文化 [特集]再認定!箱根ジオパーク ~過去を知り、未来を考える~(2)

■箱根の歴史を感じる!2つのモデルコースを紹介!
箱根ジオパークには見どころを巡るための、モデルコースがあります。今回はその中でも箱根エリアに関するコースの魅力をご紹介します。箱根火山の誕生の歴史を体感するため、この週末に足を運んでみてはいかがでしょうか。

《箱根火山最高峰神山の大崩壊の跡を知るコース》
箱根火山の息吹きを感じるハイライトコース。
小鳥のさえずりを聞きながら森林浴も楽しもう!

◇神山の大崩壊を感じる
箱根ビジターセンターから姥子までの区間で、箱根の大地の歴史を楽しむことができるルートです。箱根最高峰の神山を見上げる位置にあるこのルートは、約三千年前の神山が崩れ、流れ出した土砂や岩が作った斜面の上にあります。金太郎岩や船見岩と呼ばれているものも、流れ山と呼ばれる崩れた古い山体の一部です。江戸時代にはワラの草刈り場として活用され、明治に入ると放牧場としても利用されました。
現在は箱根を代表する豊かな森林が広がっています。

・金太郎岩
神山から大量の土砂と同時に一緒に流れた巨大な岩の一つ。岩には崩落時にできた割れ目と、溶岩が冷えたときにできた割れ目が見られる。

・サンショウバラ
箱根は、サンショウバラをはじめとしたこの土地固有の植生に大変恵まれている。これも変化に富んだ地形と、豊かな降水量のおかげだ。
※昭和51年8月2日に町の花に制定

・箱根ビジターセンター
周辺には箱根の自然を楽しむためのコースが複数整備されている。地形模型も見ごたえあり。スタッフやボランティア解説員のガイドもおすすめ。

◇ガイドさんと行こう!
照会先:箱根ボランティア解説員連絡会
【電話】84-5720

《箱根湯本散策コース》
湯本周辺の大地の生い立ちの謎を探りながら、歴史と温泉について知る

◇箱根温泉の玄関口
箱根湯本の温泉は、箱根十七湯の中で最も古い歴史を持ち、伝承では奈良時代の開湯といわれてます。中世以降、湯治場や宿場として人々に利用されたこの温泉は、地質学的には箱根火山の基盤岩から湧出している火山性温泉と分類されます。
この基盤岩の一つに早川凝灰角礫岩と呼ばれている海底でたまった火山性の堆積物があります。柔らかく加工しやすいという特徴があり、白っぽい見た目から古くから石材として利用されてきました。現在でも福住旅館の外壁や白石地蔵に見ることができます。
箱根町立郷土資料館では、この地層中から見つかったメガロドンというサメの歯の化石を観察できます。

・玉簾(たまだれ)の滝
※表紙の写真場所
二つの地層の間から水が湧き出る珍しい滝。下は箱根火山のできる前の古い地層が、上は箱根火山の溶岩が見られる。

・福住旅館の外壁
箱根火山ができるはるか前の、約400万年前に海でできた地層(早川凝灰角礫岩(はやかわぎょうかいかくれきがん))を使った外壁。

・白石地蔵
早川凝灰角礫岩を掘って作られた摩崖仏(まがいぶつ)。箱根火山は険しい山々と噴気により、中世の人々には地獄とみなされ、地蔵信仰が広がった。

◇ガイドさんと行こう!
照会先:箱根観光ガイド協会(箱根町観光協会内)
【電話】85-5443

《散策のときの服装》
・長袖
・長ズボン
・歩きやすい靴
けがや虫刺されに気を付けましょう。

《散策のときに使うもの》
・持ち運びしやすいバック
・メモできるもの(フィールドノート)
・筆記用具
可能であれば地形図やルーペ、双眼鏡、カメラなどがあると観察に幅が出ます!

▽他のコースもここからチェック!
※2次元コードは、本紙P.7をご覧ください。

※地図や写真の詳細は、本紙P.6~P.7をご覧ください。