子育て 非核平和推進研修体験記vol.1

平成4年に非核平和都市宣言を行った小千谷市を代表し、12人の中学生が8月4日~6日にかけて広島を訪れ、広島平和記念式典に参加しました。貴重な体験から多くのことを学んだ生徒たちの声を、本号と広報おぢや11月号の2回にわたって紹介します。

■折り鶴を捧げました
市民のみなさんに募集した平和を願う折り鶴が、今年は約3万羽寄せられました。
平和を願う思いが込められた折り鶴を広島市と長崎市へお届けし、広島平和記念公園や長崎市の平和公園に捧げていただきました。ご協力ありがとうございました。

■なぜ語り継いでくださるのか
小千谷中学校3年 荒川咲帆(さくほ)

この研修で1番印象に残ったことは、被爆者の方から直接お話を聞いたことです。被爆してから3日後にお父さんに会えた感情などは、とても共感することができました。そして、自分と同じような感情を持つ同世代の人たちも被害にあったと知り、他人事ではないと改めて感じ
ることができました。
私は自分の研修テーマである「なぜ語りついでくださるのか」ということを、事前学習での被爆伝承者の方にも、そして今回の研修の中で被爆者の方にも質問しました。そこで、被爆者の方が、「無知と無関心は共犯者。若い世代には共犯者になってほしくない」と答えてくださったことがとても印象に残りました。なぜなら、広島へ行き、被爆者の方から直接話を伺ったり平和記念資料館を見たりする前は、私自身も無知で無関心だったと感じたからです。
今回の研修で学んだことと被爆者の思いをどのようにしたら関心を持ってもらえるか考え、全校生徒に伝えていきたいです。

■広島に行って
小千谷中学校3年 谷口亜日香(あすか)

私の研修テーマは「本当の平和の在り方」についてです。
印象に残ったことが2つあり、1つ目は被爆者の方からの講話です。腕にガラスの破片が入り、麻酔もなく、あったのは錆びたピンセットだけだったそうです。意識がある中、3人がかりで体を押さえて取り出したという話でした。黒い雨は、被爆して数十年後に症状が出ることもあり、死ぬまで体に時限爆弾を抱えているようなものだと話されていたのをよく覚えています。
2つ目は、他県の人とのグループ活動で、平和の在り方について意見を交わしたことです。整った環境で相手の言葉をきちんと理解し合い、話し合いができる時代なのに、戦争や武力で解決しようとする現在の国際社会は平和ではないと感じました。
お互いの意見をきちんと伝え合い、話し合いで解決することこそが、平和につながるのだと思いました。

■平和のためにできること
東小千谷中学校1年 片岡龍生(たつき)

私がこの研修で学んだことは、戦争は二度と起こしてはいけないということです。私たちは平和記念公園に行き、被爆者の方の話を聞き、全国の学生と話し合いました。そこで分かったことは、2つあります。
まず1つ目は、全国でもたくさんの空襲があり、多くの人が亡くなったということです。普通に生活していて罪のない人々がたくさん殺されてしまったという事実を学びました。
2つ目は、核の恐怖です。核には爆発する前に火球が発生して、爆発直後の温度は約数千万度、地表は3000度~4000度になると言われています。そのような熱線や爆風を受けた爆心地から半径1.2km圏内にいた人は、障害ですぐ亡くなるか、数日後に亡くなってしまったそうです。
今回の研修から、私たちができることは、世界で戦争があったことを自主的に学び、それを次世代に受け継いでいくこだと思いました。自分の地元でなくとも、世界の歴史に耳を傾けることが平和のためにできることだと思います。

■これから大切なこと
千田中学校3年 安部俐有(りう)
私は、「原爆による被害」というテーマで研修に参加してきました。
平和記念資料館では、現在の広島と目の前にある被爆後の広島の写真の違いが大きく、驚きました。それと同時に、原爆や戦争の恐ろしさ、こんなことができる人の恐ろしさ、そして「70年は草木も生えないだろう」と言われていた惨状から懸命に復興へと立ち上がった当時の人々のすごさを肌で感じることができました。
平和記念式典で、子ども代表が話した「いつかは来る被爆者のいない世界」という言葉を聞き、鳥肌が立ちました。そして、もう二度とあんなことが起きないように、これからの世代にも伝えていきたいです。原爆が日本に投下されたという事実や人々の努力を知らない人がいないということ、それだけでもとても大切だということが分かりました。

■被爆80年の広島の平和について考える
片貝中学校3年 水落そら

私は「学びから行動へ、非核平和への一歩」というテーマで研修に参加してきました。広島に原爆が投下されてから80年という節目の年に広島を訪問できたのは、私にとって貴重な体験になりました。
平和記念資料館では実物の資料に触れることで、写真や映像で見るのとは違う重みを感じました。特に「人影の石」という原爆の熱波で人の影が残った資料にはとてつもない恐怖を感じました。また、平和記念資料館では、被爆体験伝承者の方からのお話もあり、当時の様子や核兵器の恐ろしさ、その後の影響について深く知ることができました。
研修を通して、広島はこれからも非核平和へ前進していく都市なのだと感じました。研修で学んだことをこれからの生活や未来につなげていきたいです。

■広島研修で学んだこと
南中学校3年 田村美結(みゆう)

私は研修で「当時の状況を知り、考える」をテーマに、さまざまなものを見てきました。平和記念資料館の見学や式典を通して、戦争による全国の被害状況を知り、平和な状況はどのように作っていけるのかを考えることができました。
グループディスカッションでは、全国の学生が集まり、「地元の戦争時の影響」「平和でない状態とはどのような状態か」を話し合い、各地の被害や、みんなの思う平和がどんな状態なのかを考えることができました。そして、実際に被爆者の方から話を聞き、当時の悲惨さやどのような景色だったのかを詳しく教えてもらい、今まで以上に深く知ることができました。
私は今回の研修で学んだことをいろいろな人に伝えることで、現在問題となっている「戦争の風化」を少しでも遅らせ、より多くの人に当時の状況を知ってもらいたいです。

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