- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県南魚沼市
- 広報紙名 : 市報みなみ魚沼 令和7年9月号
南魚沼市長 林 茂男
■ヒデリノトキハ
空梅雨による渇水。二年前の再来か!と恐怖しました。あの経験を経て市は、地下水(消雪パイプ井戸による)の用水化の準備を進め、今夏は早い段階から行政区や農家組合などが行う渇水対策の電気料や発電機のリース代、ミキサー車で水を運搬した経費などへの支援を実施していました。多くは市内西山の33地区で井戸60基を稼働。(県の協力による県道消雪パイプ井戸も含め)しかし、一本の電話が西山の農家の方から。「もう持たない。市長、消火栓は使えないか」と。即断できず、至急、庁内で協議しました。水道水の安全供給は守れるか?高圧による管路への影響は?不安は山ほどあるが、幹部たちの結論は「やりましょう!」市は前例のない水道(消火栓)による補水に踏み切りました。緊急実施した5地区ではギリギリで最悪の想定を回避できたか。渇水は残念ながら頻発化すると見なくてはなりません。より効果的な準備を、ため池の増設や雪利用も視野に。
対応に追われていたある日、思い出して家の茶の間に飾ってある宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を読み直しました。没後に遺されたメモで、強靭な精神と他者への思いやりを持つ理想的人間像を自戒としたのでは、と言われています。いつも迷ってばかりの私の心に強烈に刺さる様でした。
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