- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県南魚沼市
- 広報紙名 : 市報みなみ魚沼 令和7年10月号
南魚沼市長 林 茂男
■みんなが元気になるトイレ
避難所のトイレ。排泄を我慢するために食事や水分摂取を控えることで、脱水などの救急搬送が多発、災害関連死にまでつながる、と能登半島地震でも大きく取り上げられました。証言には「外でする。ただただそれがみじめで」、「どうしようもなくて、泣きながら前の人の排便の上にしました」…。衛生的なトイレの確保は人としての尊厳や命にかかわる課題。私も14年前の東日本大震災にボランティアで赴いた先でそれを経験しました。耐え難く、「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」と思いました。
当市はこの度、トイレトラック1台を導入します。見附市に次いで県内2例目となる一般社団法人「助け合いジャパン」との協定を締結。トイレの災害派遣ネットワーク、いざという時には全国の仲間が車両で駆けつけ、助け合う仕組みに加わります。(現在、全国で34自治体が加盟)3年前に加盟した見附市は、牽引車両を使う4室のトレーラー式。11月に納車される当市の車両は一体型、個室水洗5室、内1室は車いすの電動リフト付きで、オストメイトやおむつ交換台も備える多機能型。停電地帯への派遣を想定し、天井はソーラーパネルで蓄電システム。使用電力は自車で賄う最新鋭型です。周辺や室内の明るさはきっと被災現場で安心を与えることに。室内は広く、お年寄りの付き添いや洗面スペースまで。購入代の3分の1に当たる800万円を目標に、市は9月末まで個人・企業・団体からの「ふるさと納税型クラウドファンディングを募らせていただいたところ、実に多くのご寄付を。望外の激励の声もたくさんいただきました。共感の輪がここまで広がるとは。
いろんな想定が必要と思います。大雪で道が長時間ストップするとか、今は停電でトイレを使用できなくなることも。大規模断水もあり得る。給水や汲み取りを継続させる体制も。導入をきっかけに防災意識をさらに高く!新車両の外装デザインには、当市の素晴らしい風景写真を。加盟自治体だけでなく、応援要請があれば可能な限りどこにでも。雪国・南魚沼の「義と愛」の真心を届けよう。