くらし [予算特集]未来はぐくむ新たな一歩を(1)

◆持続可能なまちづくりへ
3月の町議会で、令和7年度予算が決まりました。
新年度は、これまで築いてきた人口減少対策の三つの柱を軸に、町の目指す将来像「『扇状地に夢と笑顔があふれるまち 入善』~子どもたちの未来のために~」の実現を目指して、「ストップ人口減少!未来をはぐくむ新たな一歩」-持続可能なまちづくり予算を編成しました。
ここでは、その新年度予算の内容を紹介します。

◇一般会計 114億8020万円

・(一般会計)将来像に一歩ずつ前進
一般会計当初予算は、114億8020万円。前年度比7・5%増、2年ぶりの110億円超の大型予算を計上。「消滅可能性自治体1」からの脱却に向けた新たな一歩を踏み出し、持続可能なまちを目指す事業を盛り込みました。
長年取り組んできた「ストップ人口減少」の実現を目指す「三つの柱」の事業を軸にすえつつ、DXの推進や公共施設などの脱炭素化、安全・安心なまちづくりをはじめ、賃上げや物価高などの社会変化にも適切に対応。施策の選択と集中を図り、町の目指す将来像に向かって一歩ずつ前進するための予算です。
※1 民間有識者グループ「人口戦略会議」が定義した、2020~2050年までに20~39歳の女性人口の減少率が50%を超えると予想される自治体。昨年、入善町も新たに該当した。

・(歳入)定額減税終了などで町税増
町税は、前年度と比較して2億663万円の増、前年比6・5%増の34億314万円を計上しました。定額減税の終了とともに、給与所得等の増による個人町民税は増収の見込み。法人町民税も、生産活動の回復傾向から増収を見込み、固定資産税は、新築家屋の増収などはあるものの、ほぼ横ばいを見込みました。
町税の次に大きな割合を占める地方交付税と実質交付税である臨時財政対策債を合わせた額は、地方財政計画などから臨時財政対策債をゼロとし、対前年度比0・4%減の28億3000万円としました。繰入金は、財源不足や町債の償還財源とするなど、対前年度比3・8%増の12億5946万円を計上しました。

・(歳出)施策の選択と集中を図る
歳出では、すべての事務・事業をゼロから見直し、経常経費の圧縮に努めたほか、限られた財源で最大限の効果を発揮するため、施策の選択と集中を図りました。
国の令和6年度補正予算などを受け、新年度に計画していた一部事業を3月補正予算に前倒し計上し、新年度予算と一体的に編成。スピーディーな事業の推進と、有利な財源確保に努めます。
三つの柱に関する施策のほか、「消滅可能性自治体」脱却に向けて、若者の声を積極的に取り入れるため、若手職員を中心に、部署の垣根を越えて政策案を募集。その一部を予算化しました。また、安全・安心の町づくりとして、防災マップの更新や、海抜表示看板の一斉更新、耐震性防火水槽の整備を実施。サンウェルや下山芸術の森発電所美術館などの照明LED化による脱炭素化の推進など、社会の要請に応えた事業を推進します。

◇特別会計 29億4570万円

国民健康保険特別会計は団塊世代が後期高齢者医療制度へ移行することによる医療費減少を見込み8.8%減、後期高齢者医療特別会計は2.3%の増。

◇企業会計 22億7674万円

工事の適切な発注など、さらなる経費節減に努め、簡易水道事業会計は前年度と比較して17.3%減、下水道事業会計は0.9%の減を見込みます。

○用語の説明
・一般会計…教育や福祉、土木など基本的な行政運営の経をまかなう会計
・特別会計…一般会計とは別に、独立した経理管理が行われる会計
・公営企業会計…事業収入を主な財源として、独立採算の原則により特定の事業を経理する会計
・町税…町民税、固定資産税などの税金
・地方交付税…地域間の税源の不均衡を調整し財政力格差を調整するため、国から町に交付されるお金
・町債…公共事業などの財源として国や銀行などから借りるお金
・国庫・県支出金…特定の目的のために国、県から交付されるお金
・諸収入…町税の延滞金など他の収入科目に含まれない収入
・繰入金…町の基金などからの繰入金