- 発行日 :
- 自治体名 : 福井県美浜町
- 広報紙名 : 広報みはま 令和7年4月号 No.651
美浜1号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機:第28回定期検査中(令和7年3月2日~)
■美浜発電所3号機第28回定期検査実施
美浜3号機は、令和6年2月14日から本格運転を開始しましたが、令和7年3月2日に原子炉を停止し、現在、定期検査(※)が行われています。
今回の定期検査では、燃料集合体全157体のうち57体(新燃料44体、再使用燃料13体)を交換する予定であり、5月下旬に原子炉起動及び調整運転等が開始され、6月中旬から本格運転が再開される予定です。
定期検査において、原子炉本体や原子炉冷却系統施設、放射線管理施設等の点検が実施されるほか、主要工事として、曲げ加工の際の応力を低減し、より信頼性の高い配管に取り替える「1次系配管(加圧器逃がしライン)取替工事」が実施されます。また、設備の保全対策として、2次系配管肉厚の管理指針に基づき、「2次系配管の点検」等が実施されます。
※原子力発電所では、原子炉等規制法に基づき、設備を安全な状態に保ち、トラブルを未然に防止して安定した運転を続けるため、定期的に発電を停止し、検査を行うこととなっています。
第28回定期検査の作業工程
■関西電力(株)が使用済燃料対策ロードマップを見直しました
関西電力(株)は、令和5年10月に「使用済燃料対策ロードマップ(以下、ロードマップ)」を策定しました。この中で、日本原燃(株)六ヶ所再処理工場の令和6年度上期竣工による再処理開始と使用済燃料受入開始に併せて、使用済燃料の搬出を進めることとしていました。しかし、日本原燃(株)が、竣工時期の2年延期を公表し新たな暫定操業計画を策定したことを踏まえ、関西電力(株)は、ロードマップの見直しを進めていました。
この度示された新たなロードマップでは、令和10年度から12年度までの3年間で、同工場へ使用済燃料計198tを搬出する他、再処理実証研究のためにフランスへ搬出する量を約400tに積み増しさせること等が盛り込まれました。
町は、2月13日に関西電力(株)の水田原子力事業本部長と経済産業省資源エネルギー庁の山田資源エネルギー統括調整官から、ロードマップ見直しに係る報告を受けました。報告を受け戸嶋町長は、「さまざまな観点から実効性や実現可能性を高めるべく検討を重ね見直された計画と受け止めている。国や事業者間におけるオールジャパン体制が機能していることも伺い知ることができた」と述べました。そのうえで、ロードマップや地域振興策の具現化を帰結点として見据え、工程の進捗管理や検証の取組、財源の確保など、実効性が担保されるか見極めたいと伝えました。
その後2月26日に「美浜町議会原子力発電所特別委員会」が、3月5日に「美浜町原子力環境安全監視委員会」が開催され、ロードマップの見直しについて、関西電力(株)や経済産業省資源エネルギー庁から説明がありました。
◆原子力発電所特別委員会での主な議論
▽問1
再処理工場の竣工について、必ずやり遂げると関西電力(株)も国も力を入れているが、遅延続きである。六ヶ所再処理工場の竣工を前提にしたこのロードマップは絵に描いた餅としか感じられない。
▽答1
日本原燃(株)に対し、関西電力(株)の原子力発電所の再稼働で活躍したエキスパート社員を派遣し、原子力規制委員会との対応を行う等、再処理工場の竣工に向けて対応すると共に、国と事業者で構成される使用済燃料対策推進協議会の開催頻度を、概ね四半期に1回に増やす等、全体計画の進捗管理を徹底している。
▽問2
六ヶ所再処理工場が稼働しても、日本が保有できるプルトニウムの量には上限があるため、ゆくゆくは再処理ができなくなるのではないか。
▽答2
日本では、「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」に基づき、利用目的のないプルトニウムは持たないという考え方を堅持している。プルトニウムについては、プルサーマル発電で有効活用していくという方針であり、再処理工場でのプルトニウム生産量と国内での利用量のバランスが取れれば、核燃料サイクルが成り立つものである。
▽問3
これまで再処理工場の竣工を27回延期しており、本当に令和8年度に竣工するのか疑問である。前回不退転の覚悟で臨むとし
ながら今回のロードマップ見直しに至るわけだが、計画通り再処理工場が竣工するのであれば、中間貯蔵施設は必要ないのではないか。
▽答3
六ヶ所再処理工場は技術的な問題は解決しており、原子力規制委員会の審査対応に時間を要している状況である。乾式貯蔵施設につ
いては、県外に設置する中間貯蔵施設への円滑な搬出を目的としたものであり、再処理工場の竣工延期を見越した対応ではない。
※詳しくは、本紙をご覧ください。