- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県
- 広報紙名 : 山梨県の広報誌ふれあい 特集号 秋 vol.86
■中高生の居場所「放課後cafélab」がオープン
中高生にとって放課後に安心して過ごせる場所は多くありません。
ゲームセンターやカラオケは楽しいけれどお金がかかる――。
かといって、一人で家に帰るのも寂しい――。
そんな声に、県はモデル事業として、「放課後cafélab(カフェラボ)」を昭和町にオープンしました。
多くの仲間と交流できる「居場所」です。
2023年6月、県では子どもと若者を対象にアンケート調査を実施しました。中高生が落ち着いて過ごせる場所について、「図書館など、地域の施設」と回答した中学生は7%、高校生は3%と非常に低い数字でした。これを踏まえ、地域社会の中に中高生の居場所を増やそうと、県は「放課後カフェラボ」を開設しました。
7月にイオンモール甲府昭和で開かれたキックオフイベントには、県内在住の高校生8人が集まりました。
東京のAI企業「STANDARD」の岡田光了さんが講師となり、AIの使い方を教え、「みんなで、『放課後カフェラボ』のロゴをつくろう」と提案。高校生8人は三つのグループに分かれ、それぞれが「居心地の良い場所のキーワード」を付箋に書いていきました。「漫画があったらいい」「ゲームがある場所」「勉強ができる場所」……。書き出されたキーワードをAIアプリに入れて、イラストのロゴをつくりました。
参加した高校1年の男子生徒は「友だちと集まれる場所がないので、いまは学校が終わると家に帰るしかない。みんながふらっと寄れる〝家のようにくつろげる場所〟にしたい」。友だちに誘われて参加したという高校3年の女子生徒は「普段は話す機会がない他校の人たちとも話せる。居場所をみんなでつくれるなんてワクワクします」と話していました。
「放課後カフェラボ」は、イオンモール甲府昭和と、JR身延線・常永駅から徒歩5分の「妙福寺」の2カ所で開かれます。学習や交流ができるスペース、Wi-Fi設備、スマートフォンによる動画撮影コーナーが設置され、県内在住の中高生は無料で利用することができます。中高生自身が運営や企画に関わり、子ども自身がどんな場所にしたいかを考えながら利用の仕方やルールをつくります。
こども食堂「寺GO飯」などを運営する一般社団法人「ソーシャルテンプル」が運営を担い、さまざまなコミュニティづくりをする「ブリコルーズ合同会社」が企画・教育設計面について子どもをサポートしていきます。
ソーシャルテンプル代表で妙福寺僧侶の近藤玄純さんは「全国的に子どもの居場所をつくる政策はありますが、そこに〝学び〟を付与するのは珍しい試みです。単なる遊び場ではなく、子どもたちの成長につなげる〝中高生のためのキッザニア〟のような体験ができる場所を目指したい」と話しています。
「放課後カフェラボ」には、運営を支援する団体や、大学生ボランティアが常駐します。近藤さんは「中高生が年上の人とフラットに意見交換ができることも『放課後カフェラボ』だからこそ。家庭や学校では話しにくい思春期の悩みを気軽に相談してほしいですね」と話しています。
「放課後カフェラボ」はモデル事業です。2カ所の運営で得た知見や成果を、県内の市町村に共有し、県は今後、県全域で〝中高生が安心して過ごせる居場所づくり〟を広めていく考えです。
※開催場所と日時は県のホームページから確認できます
問い合わせ先:こども福祉課
【電話】055-223-1459【FAX】055-223-1509
