- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県市川三郷町
- 広報紙名 : 広報いちかわみさと 令和7年10月号
■男女共同参画社会とデフリンピック
男女共同参画が目指す社会とは、一人ひとりの豊かな人生の実現だと言われています。そのために、行政の支援が欠かせないのは言うまでもありません。
例えば、市川三郷町では2015年に手話言語条例が制定され、『音声言語』と『手話』は同じ言語・コミュニケーション手段であると示されました。また、11月には、東京2025デフリンピックが開催されます。これは、聞こえない・聞こえにくいアスリートによる国際的なオリンピックで、共生社会の実現に向けた一歩を、社会全体でともに見て、ともに考えるチャンスです。今大会は1924年にパリで開催以来100周年の記念すべき大会で、日本初開催となります。競技は東京都を主な会場として、福島県、静岡県でも行われ、選手に聴覚障がいがあること以外、ルールはオリンピックと同じです。選手が耳から得る情報を視覚から得られる工夫がされており、障がいの有無に関係なく情報を共有できます。
デフリンピックをきっかけに開発されたユニバーサルデザイン(多くの人が利用しやすいように配慮された環境や製品)は、聞こえる人にとっても、便利で安心して生活できる工夫が施されており、まさに共生社会の実現に繋がっていると思います。
ところで、『アンコンシャス・バイアス』という言葉を知っていますか。これは無意識のうちに抱いてしまう思い込みや先入観を指します。SDGsにも障がい者に関する目標が掲げられていますが、共生社会において大切なのは、このアンコンシャス・バイアスに気づくこと、そして自らの行動を見直すことだと思います。
かつて日本を訪れて障がい者福祉分野に影響を与え、手話の指文字作成時には助言を仰いだヘレンケラーは『障がいは不便です。でも不幸ではありません。』という言葉を残しています。不便のない社会こそ、男女共同参画が目指す社会だと思います。
男女共同参画推進委員会
金澤 みちる
※関連記事16ページ デフリンピックキャラバン