くらし 村議会6月定例会 村長所信・提出案件(1)

令和7年第2回山中湖村議会定例会(6月)において、高村正一郎村長から村政運営に関しての考え方と、議会に提出した案件が説明されましたので、その概要を掲載します。

山中湖村長 高村正一郎

本日ここに、令和7年第2回定例会が開会されるにあたり、提出しました案件につきまして、その概要をご説明申し上げますと共に、私の村政運営に関しての考え方を申し述べ、議員各位並びに村民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。 
今、世界を見てみますと、ロシアのウクライナ侵攻の長期化やパレスチナ問題によるガザ地区へのイスラエルの侵攻など、国際的な紛争が続いており、こうした国際情勢の変化は、日本国内の経済や自治体の政策にも多大な影響を与えています。 
又、トランプアメリカ大統領の関税政策により、日本の輸出産業を含め日本企業全般への経営、流通等に大きな経済打撃となっています。併せて円安が進行すると、ガソリンや食品の価格がさらに上昇する状況も生み、日本国内においても、こうした影響を受けて物価高騰が続いており、住民の生活や観光業にも影響を及ぼしています。 
観光業界では、関税による物価変動や為替の変動が訪日外国人旅行者の消費意欲に影響を与えると考えられ、関税政策が世界経済の減速を招いた場合、海外旅行を控える動きが広がり、日本の観光地への訪問者数が減少するリスクも指摘されています。 
又、米価格の高騰は、住民生活に大きな影響を与え、日本の家庭での米消費が減少していることが調査で明らかになっており、代替食品としてパンや麺類の消費が増加している傾向が見られ、政府は備蓄米の放出や価格安定策の検討を進めていますが、住民の生活に直結する問題だけに、今後の政策対応が注目されているところであります。 
又、コロナ収束後のインバウンド需要の増加は、日本の観光地に大きな経済効果を与えており、インバウンド需要の急回復により、観光地では宿泊施設や飲食店の予約が増加し、地域経済の活性化が進み、石破首相の所信表明では、インバウンドを活用した地方創生や観光の高付加価値化の促進について言及され、観光業界のDX化や地域文化の支援強化が進められる見込みであるため、先んじて当村の観光誘客や地域の魅力づくりについてもこのような国の支援を組み込んだ事業を展開していくよう準備と挑戦を進めていきたいと考えております。 

私の村長2期目が始まり半年が経過いたしました。この4年間は第1回定例会でも述べました「山中湖村2030ロードマップ」長期ビジョンの実践に取組んでまいります。その施策の指針として、山中湖村総合計画兼総合戦略を策定いたします。この新計画では、安心安全な村民生活を支える村づくり、若者や子供たちが夢と希望をもち生き生きと育む村づくり、観光産業・地域力活性向上への村づくり、豊かな自然を守り・育み・支えるための村づくりなど、4つの先導的取り組みを掲げ計画してまいります。 
本村は村制施行150周年、村名変更60周年を迎えました。改めて、私たちはこれからの山中湖村を創造する役目を負わなければなりません、この節目を記念して、私たちの村の歩みを振り返り、未来へとつなげるための山中湖村アーカイブス展を開催して参りたいと存じます。本イベントでは過去を映し出す貴重な写真を集め、時代ごとの風景、人々の暮らし、文化の返還を展示することにより、先人たちが築いてきた歴史の証となります。さらに、これらの写真や記録を後世に伝えるため、デジタルアーカイブし、未来の世代が村の歴史を学び活かせるよう、大切な資料を整理、保存してまいります。 
次に仮称山中湖村立山中湖小学校の第1回建設検討委員会が5月19日に開催され委員に委嘱状を交付いたしました。委員、有識者に5名の議会議員の方々を選任し当委員会では基本構想、基本計画に基づき、今後実施予定の建設計画や進捗状況、建設に関する必要事項等審議を行います。各部会では教育方針を一本化、学習指導体制の一本化、放課後児童クラブ関係他、様々な課題を解決するための各部会を設置し、委員会や各部会で役割分担し新設統合小学校建設に取り組んでまいります。 
次に、山中湖村観光客誘客誘致事業でありますが、本年度は、夕焼けの渚・紅葉まつりの魅力向上に向けて、新たな価値を創出し、観光活性化や地域経済に寄与することを目的に取り組んでおり、去る6月2日、公募型プロポーザルにて、4社によるプレゼンテーションを実施し、今後のスケジュールをにつめ、新たな相乗効果を生むイベント事業として展開してまいります。 
次に、山中湖村自転車歩行者道未整備区間のゾーン3・4の整備についてです。過日国土交通省甲府河川国道事務所長から、湖積を増やすために、まもなく二の堀周辺の浚渫事業に着手し、本年中には未整備区間を随時事業着手すると報告を受けました。今後事業着手に向け、関係者のご協力を得て、早期完成に向け尽力して参ります。 
次に、山中湖の環境保護への取組として山中湖の水質保全や生態系の維持に向けた湖底調査を継続実施いたします。本年度は主に山中湖の湧水について調査をいたしますが、湖の水質の悪化をもたらす可能性がある、白鳥の餌付けによる水質の変化や、魚類の生態系調査も県水産技術センター等協力をいただき実施してまいりたいと思います。