- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県長和町
- 広報紙名 : 広報ながわ 令和7年10月号
唐沢(からさわ)直実(なおみ)隊員
長和町民の皆さん、こんにちは!地域おこし協力隊員の唐沢直実です。
青々と茂っていた草木も盛りを過ぎ、涼し気な虫の声が聞こえるようになってきましたね。秋生まれの私にとって待ち望んだ季節がやってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?秋の味覚や紅葉風景など楽しみは沢山ありますが、季節の変わり目でもありますので、皆さんお身体に気を付けつつ秋の魅力を堪能してくださいね。
さて、ここからは和紙についての話題です。普段私は長和町を中心に活動に励んでいますが、和紙制作について新たな学びを得るために時折長和町を大きく飛び出して活動することがあります。今回はそういった町外での活動、具体的には埼玉県小川町・東秩父村への訪問についてご紹介したいと思います。
■トロロアオイの栽培方法を学ぶ
トロロアオイとは、紙を漉く原料液にとろみをつけるための「ねり」として使用される植物です。立岩和紙を漉く際にも昔はトロロアオイが使われたようですが、現在は化学粘剤(水に溶かすととろみが出る粉)のみを使用しているため、トロロアオイに関して全く知識がない現状があります。再びトロロアオイを使用した紙漉きの実現を目指し、栽培方法・使用方法を実践的に学ぶため、私は埼玉県小川町を中心としたトロロアオイ栽培プロジェクトに参加しています。
■「細川紙」「小川和紙」の産地視察
埼玉県小川町・東秩父村は「細川紙(ユネスコ無形文化遺産)」「小川和紙」の産地です。大まかな和紙制作の流れは同じですが、長和町では得られない視点や工程検証の蓄積から学ぶところが多くあります。特に今回は、前述のプロジェクトに細川紙技術者協会会長を務める現役職人の方が参加していたこともあり、和紙制作について貴重なお話を伺うことができました。今後も小川町・東秩父村の職人の方々と関係を取りつつ、得られた情報を参考に長和町での紙漉きに取り組んでいきたいと考えています。
今回は町外での活動の一部をご紹介しました。「和紙の保存・伝承」が活動の軸ですのでどうしても内に内に目を向けがちになりますが、外に出てみることで改めて長和町の和紙の特徴・魅力を知る機会となりました。引き続き協力隊活動に尽力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!