- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県恵那市
- 広報紙名 : 広報えな 2025年7月号 No.396
■発酵食品の魅力を広めたい 脱サラし夢の飲食店を経営
発酵食品ソムリエとしての知識を生かし、発酵とスープカレーのお店「おっど・あい」をオープンした鷲見正司さん。長年の夢だった飲食店を経営し、発酵食品の魅力を伝えようと日々腕を振るう。
正司さんは大学卒業後、電力会社に入社。全国の電力会社の取りまとめや電力システム改革に尽力し、仕事中心の生活を送ってきた。
48歳の時、同社の早期退職制度の利用を検討していることを妻の幸子(さちこ)さんに相談。子どもの頃から料理が好きだった正司さんは「飲食店を経営したい」という夢を打ち明けた。初めは心配していた幸子さんも「自分のやりたいように生きてほしい」と背中を押し、昨年6月末、55歳で会社を退職した。
趣味で天然酵母のパンを作るなど、もともと発酵食品に興味があった正司さんは、53歳の時、全国発酵食品サミットインチえなに合わせて企画された明知鉄道の発酵列車に乗車。開業に向けて、発酵食品を学び料理の資格を取得したいと、「発酵の学校」に通い、発酵食品ソムリエの資格を取得した。
本年2月、ついに「おっど・あい」がオープン。大きな恵那どりと野菜が目を引くスープカレーには自家製の発酵調味料「三五八(※1)」を使用。独自のアイデアにより、まろやかで奥深い味に仕上げている。サラダにも自家製のタマネギこうじドレッシングを使用する。
「恵那市には、昔から発酵の文化が根付いている。体に良くておいしい発酵食品の魅力を、当店のカレーを通じて市内外に広めていきたい。スープカレーを食べたことがない方も年代問わず気軽に訪れてほしい」とほほえむ正司さん。
「今後は全世代が食事をしながら交流する場や天然酵母のパンの提供、イベント出店にも挑戦したい」と意気込み、楽しみながら発酵食品の魅力を発信していく。
※1 塩、米こうじ、炊いたご飯を、3対5対8の割合で混ぜ合わせた発酵調味料
◆鷲見正司(しょうじ)さん(56歳)(大井町土々ヶ根三)
□プロフィル
発酵食品ソムリエ。本年2月にオープンした発酵とスープカレーのお店「おっど・あい」(大井町)の店主。歌手の中森明菜の楽曲を流しながら開店準備をするのが日課で、中でも「花よ踊れ」がお気に入り。旧車が好きで、2階建て店舗の1階には愛車の日産フェアレディZが置かれている。