くらし 市政羅針盤(らしんばん)

染谷絹代(そめやきぬよ)市長が自ら、市政運営の方針を分かりやすくお伝えします。
今月のテーマ:未来への責任-4期目、市長として何を目指すのか

■未来への責任を果たすために託された使命
5月25日に行われた島田市長選挙において、多くの市民の皆さまから再びご信任いただき、私は4期目の市政運営に臨むこととなりました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。そして今、私はその重みと責任を改めて深く受け止めております。この10年余りで、島田市を取り巻く環境は大きく変化しました。全国的な人口減少と急速な少子高齢化、物価高騰、災害リスクの増大、そして行政サービスの効率化・高度化などの技術革新の進展。地域社会の土台である「人」と「つながり」が、いま試されていると感じます。
4期目の私に託された使命は、こうした時代の変化を見据え、市民の命と暮らしを守りながら、次の世代へと希望のバトンを渡すことにあります。これからの4年間、私は「未来への責任」を果たすため、大きく3つの柱を軸に市政を進めてまいります。

■誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり
高齢化が進む中で、地域包括ケア(医療・介護・福祉・生活支援)の仕組みをさらに強化し、自宅で安心して暮らせる体制を築いていきます。市立島田市民病院も島田市立総合医療センターとして新たに生まれ変わり、市民の健康と命を守るとりでとして医師数も増加し医療機器も強化されています。これに加え、在宅医療の支援拡充、地域との連携を進め、どの世代にも「支えがある」と実感できるまちを目指します。また、生活の基盤である防災・減災対策についても、ハード・ソフト両面から充実を図ります。新庁舎は災害対策の中枢として、今後ますますその機能を発揮します。住民一人一人の命を守る「災害に強い島田市」を目指し、市民と共に防災訓練や地域連携を重ねてまいります。

■地域経済を支える「稼ぐまち」への挑戦
私が今回の選挙で掲げたキーワード、それが「稼ぐまち」です。人口減少が続く中でも、地元で安定した仕事があり、若者や子育て世代が暮らし続けられる基盤をつくることが求められます。農業分野では、有機農業の産地づくりを進め、農業の高付加価値化や6次産業化を推進し、「稼げる農業・茶業」の実現を目指します。島田が誇る1次産業に新しい技術や視点を取り入れ、持続可能な形で成長させていくこと。中山間地域にも新たな価値を生み出し、地域内経済の循環を促していくこと。さらに、企業誘致、スタートアップ支援などを通じて、地域に「雇用の選択肢」を増やすことも欠かせません。
観光面では、蓬萊橋、大井川鐵道、川越遺跡といった資源を生かし、交流人口の拡大に取り組んでまいります。外から人を呼び込み、内から元気を生み出す。そんな「躍動感のあるまち」を育てていきます。新たな観光のカタチを発信し、観光客の誘致を図ります。地域の歴史や文化、自然を生かした観光資源の整備やSNS発信を強化し、インバウンド客の誘致などにより地域経済の活性化につなげてまいります。

■ともに未来をつくる市民協働と人づくり
これからの自治体運営にとって、最も大切なのは「人の力」です。自治会をはじめとした地域コミュニティの再構築、若者や女性、高齢者の活躍の場づくり、市民の声を生かす対話の機会を積極的に設け、市政を「わたしたちのもの」と感じてもらえるよう取り組みます。また、子育てや教育にも引き続き力を注ぎます。島田市は10年連続で、子育て世帯(30代と10歳未満の子)の転入超過が続いています。この流れをさらに加速させるため、保育・教育環境の充実、子ども食堂や子育て支援センターの拡充、そして高校や大学との連携による「地域で育ち、地域で活躍する」人づくりを進めてまいります。

■今を守り、未来を切り開く市政
私たちのまちは、決して課題ばかりではありません。市民の皆さまの温かさ、支え合いの文化、豊かな自然と歴史、そして挑戦を応援する風土。こうした「島田らしさ」を力に変え、次の世代に引き継ぐ責任が、私にはあります。「今を守る」と同時に「未来を切り拓く」。その両方を大切にしながら、4期目も全力で市政を担ってまいります。これからの島田市を、市民の皆さまと一緒につくっていけることを心から願っています。

問合せ:秘書課
【電話】36-7117