くらし 【特集】保護司-活動の先に- (2)

【I 全体像】
~一目でわかる!保護司の世界~ The world of “HOGOSHI”
保護司は、犯罪や非行をした人たちが再び罪を犯すことのないよう、その立ち直りを地域で支える民間ボランティアです。

◇保護司の人数・年齢・性別
《全国のこと》
人数:46,043人(定員52,500人)減少傾向
平均年齢:65.4歳 高齢化傾向
性別:男性72.7% 女性27.3% 女性の比率上昇傾向

《市のこと》
人数:26人 (減少傾向) 
平均年齢:69.9歳(初任時59.4歳)(高齢化傾向)
性別:男性76.9%(20人) 女性23.1%(6人)(女性の比率上昇傾向)

◇任期
《全国のこと》
任期は2年です。再任が出来るため、多くの保護司が10年、20年といった長期にわたり活動を続けています。
原則として、78歳になるまで活動できます。

《市のこと》
市での平均在職年数は、9.6年です。現在の平均年齢(69.9歳)を考慮すると10年以内にほとんどの保護司が任期の満了を迎えることとなります

◇なれる人
《全国のこと》
条件として、法律で
(1)社会的信望を持っていること
(2)熱意と時間的余裕を持っていること
(3)生活が安定していること
(4)健康で活動力があること
が定められています。会社員、公務員、宗教家、主婦など様々な人がいます。

《市のこと》
市の保護司には、他市町に比べ、教育関係者、農家、経営者が多いことが特徴です。その他、会社役員、福祉事業従事者、主婦などの人たちが保護司として活動しています。

◇2つの役割
(1)保護観察対象者への対応
保護観察対象者と定期的に面接を行い、更生のための約束事を守るよう指導すると共に、生活上の助言や就労の手助けなどを行います。
また、刑務所や少年院を出た後の帰住予定地の調査や引受人との話合いなどを行い、受け入れ体制を整えます。
保護司⇔保護観察対象者

(2)地域社会への対応
犯罪の予防を図るための啓発、宣伝や、地域の理解促進、関係づくりなどを行います。
保護司⇔地域社会

◇組織
《全国のこと》
主に市区町村を単位とし、全国で882 の保護司会が組織されています。
これらの保護司会は、さらに広範囲の保護司会連合会、地方保護司連盟、全国保護司連盟に所属しています。

《市のこと》
市は、小山町と共に「北駿地区保護司会」に所属しています。定員40 人のところ39 人(市26 人・小山町13 人)が所属しており、充足率は高いと言えます。

◇待遇
保護司選考会に推薦された人の中から法務大臣が委嘱する、非常勤の国家公務員です。
ただし、交通費などの経費を除き、給与は支給されず、実質的に民間ボランティアとして活動します。
職務上知った秘密の厳守が求められる他、活動中に受けた災害に、公務災害の補償が受けられます。

非常勤の国家公務員
法務大臣 → 委嘱 → 保護司

■interview
法務省 静岡保護観察所
沼津駐在官事務所
保護観察官 本多 香樹(こうき)さん

~先を見据えた体制づくりを~
北駿地区保護司会の皆さんは、年3回ある保護観察所主催の研修への出席率が高く、活動に真摯に向き合っている姿が印象的です。
一方、現在の定員に対する充足率は高いものの、将来を考え後任を探していくことが大切です。
また、保護司の皆さんがより安心して活動できるよう、市役所などとの連携・協力の下、アクセスしやすい面接場所の確保なども必要です。
これらの改善を図り、5年、10年先を見据えた体制づくりを行なっていければと思います。

《用語》保護観察官
保護司と協働して保護観察などを行う専門職の国家公務員。全国の保護観察所や駐在官事務所などに勤務。
保護観察官(専門的知識をもつ国家公務員)⇔保護司(地域性・民間性をもつボランティア)