くらし YOU and IZUNOKUNI(あなたと伊豆の国) 第34回

望月(もちづき)良和(よしかず)さん
初代 伊豆の国市長

■これまでも、これからも、伊豆の国市を見守る
20年前、伊豆の国市の初代市長に就任した望月良和さん。旧3町が合併した黎明(れいめい)期の市政を2期8年にわたり牽(けん)引しました。
もともとは、旧大仁町で印刷会社を営む傍ら、子どもたちに柔道を教えていた望月さんが、初めて政治の世界に入ったのは昭和62年。当時、中学校のPTA会長だった望月さんは、荒れていた教育現場を目の当たりにし、行政が何とかしなければいけないと、町議会議員になりました。その後、町長となり、「平成の大合併」に取り組むことになります。望月さんは「伊豆半島の人口が減っていく中、町も力をつけなくてはならないと感じていました。反対の声もありましたが、観光の伊豆長岡町、農業の韮山町、商工業の大仁町という特性を持った3町の合併は、必ず良い市を誕生させると確信がありました」と当時を振り返り語ります。
合併から20年。その思いは引き継がれ、今では旧町の垣根を超えた融和を感じられるようになりました。
しかし、少子高齢化対策は変わらぬ課題だと言う望月さん。「行政も市民も、目の前のことだけではなく、長い歴史の流れの中で、未来にも視野を広げていくことが必要です」。
市長を退いた後も、薬物乱用対策や天城山の登山道保全、中学校での講演など、精力的に活動する望月さん。最近は地元のために『城山は見ていた』という歌も作詞しました。「太古の昔にマグマが固まって隆起した城山は、長い歴史の中で、畠山国清兄弟の戦いや狩野川台風など、人々の営みをずっと見守ってきたんです」と望月さんは語ります。
城山と望月さんは、これまでも、これからも、伊豆の国市を温かく見守ってくれることでしょう。