くらし 「近助(きんじょ)」の備えできていますか?市長と被災経験者が語る、いざというときの備え

◎「やまもと語りべの会」会長
渡邉 修次(わたなべしゅうじ)氏
東日本大震災当時、宮城県山元町(やまもとちょう)で中学校の校長を務める。発災当日は卒業式で、学校にいたところ被災。避難所運営等の指揮をとり、学校での避難所生活に寄与した。現在は、山元町にある「震災遺構中浜小学校」で語り部ガイドをし、被災体験の伝承活動を実施。

■防災は「近所」から始めよう
今回、市長と被災経験者である「やまもと語りべの会」の渡邉さんが、地域防災や「自治区」の役割について語り合いました。対談を通じてみえてきた、いざという時に役立つ備えや日常のつながりの大切さなどをお話しいただきました。

■近所で近助
市長:災害への備えには「自助」「共助」「公助」がありますが、渡邉さんが震災を通じて最も重要だと感じたのは何でしょうか?
渡邉:発災直後の15分間に助けてくれるのは近所の方です。私は、それを「近助」と呼んでいます。「近助」が最も大切です。普段から「あいさつ」や交流を通じて地域のつながりを深めておけば、災害時に自然と助け合える環境が生まれます。
市長:「向こう三軒両隣」という言葉がありますが、普段の関係づくりが重要ですね。特に自治区に加入すれば、顔の見えるつながりができ、災害時に迅速な対応が可能になります。

■知った顔の安心感
渡邉:そうですね。加入世帯は避難所運営や物資配布の情報がスムーズに届きますが、未加入だと孤立するリスクがあります。特に若い世代や移住者には、加入することで得られる安心感を知ってほしいですね。
市長:防災を日常生活に取り入れるために、どのようなことができますか?
渡邉:まずは「あいさつ」から始めることです。「おはよう」「こんにちは」と声を掛け合うだけで、地域の中で助けを必要とする人が自然と見えてきます。また、靴を揃える、枕元にスリッパを置くなど、小さな習慣が、災害時に命を守る行動につながります。子どもたちへの防災教育も大切ですね。学校で避難訓練や「まち探検」を行えば、子どもたちが家庭に伝え、地域全体の防災意識が高まります。

■震災の教訓を次世代に伝えるために
市長:震災の教訓を次世代に伝えるために必要なことは何でしょうか?
渡邉:慰霊碑等の石碑を建てるだけではだれも語ってくれません。人が言葉で伝えることが重要です。特に子どもたちに教訓を伝えれば、次世代のリーダーとして防災意識を広めてくれるでしょう。
市長:そうですね。地域で開催している防災訓練等で意識を高めたり、震災による被害を次世代へ語り継ぐ仕組みをつくることも考えていく必要があると思います。

■自治区への加入は、備えの第一歩
市長:まずは地域が開催する行事に参加してみたり、自治区に加入して、地域でつながりを深めることも、防災の第一歩になるということですね。
渡邉:そのとおりです。近所での「おはよう」「ありがとう」の声かけが、有事の際の命を守る力になります。今日からぜひ行動を始めてみてください。

◆~「自治区」は、あなたにいちばん身近な地域の集まり~
◯自治区って何?
“ずっと住み続けたいまち”をつくる組織です。地域のみんなが気持ちよく暮らせるように、さまざまな地域課題に協力して取り組むのが自治区の大きな役割となっています。必要に応じて行政とも連携しながら、それぞれの地域の特性に合わせて多様な活動をしています。

みなさんがお住まいの地域を、「ずっと住み続けたい」「住んでよかったと思う」まちにしていきませんか?

◯お住まいの自治区、区長の確認
お住まいの地域の自治区や区長さんは、右記QRコードからもご確認いただけます。
※QRコードは広報紙5ページをご覧ください。

《確認手順》
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問合わせ:市民協働課
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