- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県小牧市
- 広報紙名 : 広報こまき 令和7年4月号
2月25日、令和7年小牧市議会第1回定例会が開会され、山下史守朗(しずお)市長が令和7年度の市政運営の基本方針となる市長施政方針を述べました。
今回の特集では、市の施政方針と当初予算の主な内容についてお知らせします。
◆はじめに
令和7年小牧市議会第1回定例会の開会にあたり、市政運営に係る私の所信を申し述べますとともに、令和7年度当初予算案につきまして、主要な施策とその概要をご説明申し上げ、議員各位、並びに15万市民の皆様をはじめ、小牧市にかかわるすべての方々にご理解とご協力をお願いいたしたいと存じます。
さて、私が市民の皆様のご信任を賜り、4期目の市政を担わせていただくこととなり、2年が経過したところであります。私は市長就任以来、「改革と創造の市政」、「チャレンジする市政」を掲げ、小牧市の未来を見据えた様々な改革と明るい未来につながる新たなチャレンジに全力を注ぎ、信念とスピード感をもって全力で市政の運営にあたってまいりました。
私の任期は15年目に入るわけですが、これまでの間、時代の変化は非常に目まぐるしく、我が国の少子高齢化・人口減少の進行はもとより、近年では新型コロナウイルス感染症の世界的流行、世界各地の戦争や権威主義国の台頭、先進諸国の政治の分断、また世界的な気候変動と夏の猛暑や、AIをはじめとした情報技術革新・デジタル化の著しい進展、そして我が国においては、ようやくデフレを脱却したものの人手不足が顕在化し、円安・インフレが加速するなかで、いよいよ30年間続いた超低金利政策が見直され、金利のある世界へと、バブル崩壊以降の我が国経済は大きな転換期に差し掛かっている状況であります。
令和7年は終戦から80年、昭和の元号では100年にあたり、小牧市は1月1日に市制施行70周年を迎えました。
小牧町・味岡村・篠岡村の1町2村が合併して小牧市が誕生した昭和30年、当時の人口は現在の4分の1にも満たない3万2327人でありました。「菜どころ、米どころ」と言われ、豊かな田園が広がっていましたが、社会資本の充実には農業だけでは限界があり、農業依存からの脱却と財政基盤の確立が課題とされ、諸施策が打ち出されました。そのなかでも昭和31年に制定された工場誘致条例は代表的なものであり、現在の内陸工業都市小牧の礎を築いたといっても過言ではありません。昭和38年に北里村と合併して現在の市域が形作られ、高度経済成長を経て、人口・世帯数・製造品出荷額も順調に伸び、都市機能が整備され、市民生活が充実したのは皆様もご存じのとおりであります。
そして、この記念すべき市制施行70周年となる節目の年に、改めて、行政のトップリーダーとして市民の皆様のご期待にお応えしていかなければならないという強い使命感を持って、本市の更なる発展と諸課題の解決に真摯に取り組んでまいる所存であります。
10年前の平成27年の市制60周年記念式典では、「こどもを中心に世代を越えて市民がつながり、支えあう、すべての市民が暮らしやすい、あたたかいまち」を小牧市全体で目指し、市内外に発信していくため、「こども夢・チャレンジNo.1都市宣言」を市民の皆様とともに行いました。そして、宣言を契機とし、次代を担うこどもたちの様々なチャレンジを市民みんなで応援することで市民がつながるまちづくりを推進してまいりました。「こまきこども未来館」は開館から3年を迎えた昨年12月に、来館者が延べ100万人を達成しました。こどもの成長を見守り、幅広い体験ができる場所として、小中学生や親子連れに好評を博しています。
今年の市制70周年記念事業では、コンセプトを「70年の挑戦つなごう未来へ夢とキラめくこまきびと」とし、市民の皆様とともに様々な記念事業を予定しておりますが、特に、小牧市としてこれまでも力を注いでまいりました2つの大きなテーマである「健康」と「環境」を取り上げ、さらに精力的に取組を加速する年としてまいりたいと存じます。
私は昨年の施政方針においても、SDGs未来都市に選定された尾張地域初の自治体として「誰一人取り残さない」小牧市の実現に十分に意を配すと申し上げ、持続可能で多様性と包摂性のある市政を推進してまいりました。
全国の自治体がどれだけ「経済」・「社会」・「環境」のバランスが取れた発展につなげているかを数値化した、日本経済新聞社の「第4回全国市区SDGs先進度調査」の総合ランキングが令和7年1月に発表され、小牧市は全国815市区中、総合18位の評価をいただき2年前の前回から大きく順位を上げております。このことは「こども夢・チャレンジNo.1都市宣言」を旗印に、本市独自の「こまきこども未来大学」や「駒来塾」など、すべてのこどもたちが夢を育みチャレンジできる環境整備にまち全体で取り組んできたことをはじめとして、未来に向けた各種施策が総合的に評価されたものと認識し、引き続き、持続可能で多様性と包摂性のある小牧市の実現に取り組んでまいります。
市政運営にあたっては、市の最上位計画である「小牧市まちづくり推進計画第2次基本計画」に基づいて、計画的に進めてまいります。
「小牧市まちづくり推進計画第2次基本計画」は、自治基本条例に基づき、小牧市民憲章に掲げる理想のまちの実現に取り組んでいくために策定したものであり、昨年4月から本格的にスタートさせております。
まちづくりを進めていく上での機軸となる「こども夢・チャレンジNo.1都市」「健康・支え合い循環都市」「魅力・活力創造都市」の3つの都市ヴィジョンと、市長の強いリーダーシップと責任のもと、優先的に経営資源を投入し強力に推し進めていく3つの戦略からなる「市政戦略編」、行政が着実に実施していく29の基本施策からなる「分野別計画編」、それらの施策の推進と一体で取り組む行財政改革の体系を示した「自治体経営編」に基づき、DXの推進やカーボンニュートラルの実現などを新たに横断的な視点として掲げ、時代の潮流に対応した市政運営に取り組んでいます。